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糖尿病 : 107件の結果

糖尿病網膜症

糖尿病の合併症のひとつで、目の網膜に起きる障害。進行すると失明に至る。

糖尿病性腎症

糖尿病の合併症で腎臓の機能が低下した症状。

糖尿病神経障害

糖尿病の合併症としてしばしば神経に起こる障害。運動障害・知覚障害・自律神経障害などの症状が表れる。

糖尿病

インスリンの作用不足により高血糖が慢性的に続く病気。網膜症・腎症・神経障害の三大合併症をしばしば伴う。

喫煙と糖尿病

たばこを吸うことは交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。そのため糖尿病にかかりやすくなります。また、糖尿病にかかった人がたばこを吸い続けると、治療の妨げとなるほか、脳梗塞や心筋梗塞・糖尿病性腎症などの合併症のリスクが高まることがわかっています。

アルコールと糖尿病

適切な飲酒による適量のアルコール摂取は、糖尿病の発生を予防する可能性があります。しかし度を越した過剰なアルコール摂取は高血糖を来たし、それは同時に脂質異常症や高血圧などと相まって脳血管障害・虚血性心疾患の危険因子となります。

歯周病と全身の状態 糖尿病と歯周病の双方向性

糖尿病とこころ

糖尿病患者はうつ病になりやすく、またうつ病患者も糖尿病になりやすいといわれています。うつ病になると、血糖値のコントロールがむずかしくなり、糖尿病の合併症が多くなりますので、うつ病を早期に発見し適切な治療を受けることが重要です。

糖尿病の食事

糖尿病は何らかの原因によって血糖値のコントロールを失い、高血糖状態が継続する病気です。高血糖状態が継続することによって、糖尿病合併症(糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害など)をひき起こします。
糖尿病の食事療法は、血糖値のコントロールを助け高血糖状態が継続することを避けることにより、合併症を予防することを目的に行われるものです。患者さんやその家族が糖尿病の食事療法を理解し計画・実行しやすくするために、食品交換表が作られています。

糖尿病を改善するための運動

糖尿病の治療には、運動療法・食事療法・薬物療法の3本柱があります。運動療法により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病を改善します。運動療法の目標として、運動の頻度は週に150分かそれ以上、週に3回以上、運動強度は中等度(ややきつい)の全身を使った有酸素運動、運動持続時間は20分以上行うことが一般的に勧められています。また、連続しない日程で週に2~3回のレジスタンス運動の両方を行うことが勧められています。

糖尿病

糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。初期には症状がほとんどありませんが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患になりやすくなります。また3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明や透析につながる病気でもあります。

健康づくりのための身体活動基準2013

厚生労働省の健康づくり運動である健康日本21《第2次》では、平成35年(2023年)までの身体活動・運動分野の目標を定めました。これらの目標を達成するためのツールとして厚生労働省健康局より発表されたのが「健康づくりのための身体活動基準2013」です。

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:身体活動による疾患等の発症予防・改善のメカニズム

身体活動による疾患等の発症予防・改善のメカニズムのポイントについて紹介しています。具体的には、代謝性疾患、心血管疾患、運動器障害、精神・神経疾患、一部のがんについて、発症予防・改善のメカニズムを記載しています。

※本シートは厚生労働省のホームページに掲載されています。

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:身体活動・運動を安全に行うためのポイント

身体活動・運動を安全に行ううえで確認すべき事項やタイミング、注意点について紹介しています。「運動開始前の健康チェックシート」のほか、運動前、運動中、運動後の体調確認やウォームアップ・クールダウンについても記載しています。

※本シートは厚生労働省のホームページに掲載されています。

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:慢性疾患を有する人の身体活動のポイント

高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、変形性膝関節症を有する人を対象とした、身体活動のポイントについて紹介しています。具体的には、基本的な考え方や身体活動の目安、実施するうえでの注意点などを詳しく記載しています。

※本シートは厚生労働省のホームページに掲載されています。

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント

働く人(座って仕事をする時間が長い人)が職場で活動的に過ごすために、対策を講じるうえで参考になる理論モデルを詳しく説明しています。また、具体的な研究事例を紹介しています。

※本シートは厚生労働省のホームページに掲載されています。

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:筋力トレーニングについて

筋力トレーニングの実施のポイントや具体例の説明、筋力トレーニングを実施する際の注意点などを詳しく記載しています。また、筋力トレーニングの健康増進効果についても紹介しています。

※本シートは厚生労働省のホームページに掲載されています。

健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」とは、厚生労働省が推進する「健康日本21(第三次)」における身体活動・運動分野の取組を推進するため、健康づくりに関わる専門家、政策立案者、職場管理者、その他健康・医療・介護分野における身体活動を支援する関係者を対象者として、身体活動・運動に係る推奨事項や参考情報をまとめたものです。

生活習慣改善領域におけるナッジの具体例と有効性

近年は「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの改善可能な生活習慣に「感染」を加えた、6つの生活習慣に関しては心血管疾患予防のみならず「日本人のためのがん予防法(5+1)」として科学的根拠に根ざしたがん予防の観点でも認知されてきています[1]。心血管疾患および、がん予防において、改善可能な生活習慣はほとんどが重複すると考えられており、より一層全国民に生活習慣の改善が期待されています。しかし、求められることが多い⼀⽅、なかなか取組を始められない、続けられないといった課題に直⾯することが多々あります。次に、⾝体活動・運動、栄養・⾷⽣活(健康的な)、禁煙に関しては、例やその有効性を紹介・解説します。

標準的な運動プログラム

平成29年度~令和元年度 厚生労働科学研究「健康増進施設の現状把握と標準的な運動指導プログラムの開発および効果検証と普及啓発」によって作成された運動プログラムが、リーフレットとしてまとめられています。

特定健診・保健指導における身体活動・運動指導

特定健診・保健指導は、医療制度改革の一環として取り組まれる生活習慣病予防対策のひとつとして実施されている保健制度です。国保・健保といった保険者に、メタボリックシンドロームに焦点を当てた健診(特定健診)の受診率のアップと、運動・食習慣の改善を通した保健指導によりメタボ該当者やその予備群の減少を義務づけました。保健指導は運動習慣や身体活動の改善が重要な指導内容です。

運動前の健康チェック 最近の考え方

運動を新たに開始する前の健康チェックは、安全・安心に運動を楽しむために必要です。状況に応じて、現実的に必要かつ十分なチェックを行いましょう。低から中強度の運動を徐々に始める分には医学的評価は不要な一方、高強度の運動を新たに始める場合は、医学的評価が必要なことが多くなります。ここでは、運動前の健康チェックに関する最近の考え方を紹介します。

疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)

健康セルフチェック(リンク集)

健康づくりのための身体活動基準2013

健康日本21(第二次)

健康日本21(第二次)とは、2000(平成12)年度~2012(平成24)年度に実施された「健康日本21(二十一世紀における国民健康づくり運動)」に続き、2013(平成25)年から行われている国民健康づくり運動のことです。

特定健康診査・特定保健指導

特定健康診査(特定健診)・特定保健指導は、40歳~74歳の被用者保険(健康保険組合や全国健康保険協会など)や国民健康保険の加入者を対象として実施されている、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診および保健指導です。

65歳以上の人を対象にした身体活動指針(アクティブガイド)

65歳以上の方も身体活動を実践することによって、糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、ロコモ、うつ、認知症などになるリスクが下がることが報告されています。

18歳から64歳の人を対象にした身体活動指針(アクティブガイド)

身体活動を実践することによって、糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、ロコモ、うつ、認知症などになるリスクが下がることが報告されています。

交代制勤務者の食生活に関する留意点

わが国において交代制勤務は必要不可欠な勤務形態であり、交代制勤務に従事する勤労者の割合は年々増加の一途を辿っています。交代制勤務者は日によって勤務時間が異なり、睡眠時刻や食事の摂取時刻等が常に不規則になる生活を余儀なくされるため、体内に存在する生体リズムが乱れやすいと考えられます。

口腔の健康状態と全身的な健康状態の関連

口腔の疾患はさまざまな全身疾患と関連していることが報告されており、口腔の健康状態は全身的な健康状態と密接な関連があります。そのため、口腔の健康状態を維持、改善するための歯科治療は、全身的な健康状態の維持にとって欠かせないものと考えられます。

「新しい生活様式」において体を動かす工夫

ふだんから元気に体を動かすことで、糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、ロコモ、うつ、認知症などになるリスクを下げることができます。「新しい生活様式」においても、生活の中で体を動かす機会をみつけたり、少しでも元気に体を動かす工夫をしましょう。

生活習慣病とは?

生活習慣病とは、食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称です。日本人の死因の上位を占める、がんや心臓病、脳卒中は、生活習慣病に含まれます。

突発性難聴について

突然、耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいなどを伴う原因不明の疾患です。40~60歳代の働き盛りに多くみられ、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などがあると起こりやすいことがわかっています。聴力を回復させるには、早めに治療を開始することが重要です。

「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」の概要

2016年に厚生労働省「喫煙の健康影響に関する検討会」にて取りまとめられた「喫煙の健康影響に関する検討会報告書」の概要について、わかりやすくお知らせします。

頸動脈エコー検査

脳に血液を送る首の動脈を超音波で簡単に視覚化できる検査。動脈硬化の早期発見や進行具合を確認する。

たんぱく尿

腎臓や泌尿器の機能障害で尿に必要以上のタンパク質が出てしまうこと。

食後高血糖

食後2時間が過ぎても、血糖値が高い状態のこと。隠れ糖尿病を発見するために役立つ。

高血糖

血糖値が高い状態。

血糖値

血液内のブドウ糖の濃度。
食前・食後で変動する。低すぎると低血糖、高すぎると高血糖を引き起こす。

インスリン

膵臓から分泌されるホルモンの一種。糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持つ。

高尿酸血症

尿酸の血中濃度が異常に高まった状態。痛風発作の原因となる。

閉塞性動脈硬化症

手足の血管に起こる動脈硬化。
冷感・しびれ・歩行時の痛みを感じる。進行すると手足に潰瘍ができて壊死することもある。

ヘモグロビンA1c / HbA1c

ヘモグロビンにグルコースが非酵素的に結合した糖化蛋白質である糖化ヘモグロビンの1つ。
糖尿病の過去1~2カ月のコントロール状態の評価を行う上での重要な指標。

インスリン抵抗性

インスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態。

メディカルチェック

医学的検査。診察・血圧測定・血液検査・尿検査・身体計測・心電図・運動負荷心電図・レントゲン撮影など。

運動療法

運動を行うことで、障害や疾患の治療を行う療法。

リン脂質

細胞膜を形成する主な成分で、体内で脂肪が運搬・貯蔵される際にたんぱく質と結びつける役割を担い、情報伝達にも関わる。

ブドウ糖

自然界に最も多く存在する代表的な単糖類。動植物が活動するためのエネルギーとなる。
脳がエネルギーとして利用できる唯一の物質で、人体にとっても重要な栄養素。

食物繊維

食べ物の中に含まれ、人の消化酵素で消化することのできない物質。
整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目され、第6の栄養素といわれることもある。

統合失調症

原因不明で幻覚、妄想、まとまりのない思考や行動、意欲の欠如などの症状を示す精神疾患。

抗うつ薬

うつ病治療の基本薬で、現在は副作用の少なさを考え、SSRIやSNRIが主に使われている。

キシリトール

虫歯予防効果が実証されている天然甘味料。
食後にキシリトール配合のガムなどを摂取するのが有効とされている。

腹部大動脈瘤

白内障

冠状動脈性心疾患 / CHD

心臓に血液を供給する冠動脈で血液の流れが悪くなり、心臓に障害が起こる病気の総称。

歯周炎 / 歯槽膿漏

歯周炎=歯槽膿漏。思春期から発症し、成人ではほぼすべての人に何らかの兆候が認められる。近年、糖尿病や肺炎など全身疾患のリスク因子として注目されている。

アルコール性認知症

アルコールの大量摂取が原因と考えられる認知症のこと。ウェルニッケ・コルサコフ症候群と同じという意見もある。

生活習慣病

唾液分泌

耳下腺、顎下腺、舌下腺の左右3対といくつかの小唾液腺から分泌されている。

危険因子 / リスク因子

ある病気や状態を引き起こす確率を高める要因のこと。

新久里浜式アルコール症スクリーニングテスト / 新KAST

久里浜式アルコール症スクリーニングテスト(KAST)は改定され、新久里浜式アルコール症スクリーニングテスト(新KAST)が現在は使われている。

脂肪肝

肝臓に中性脂肪がたまった状態。メタボリックシンドロームに合併しやすく、放置すると肝炎などを引き起こす。

禁煙後の体重マネジメント

禁煙後に体重が増えることを気にして、禁煙をためらう方は多いと思います。確かに禁煙すると基礎代謝が落ち食欲が増加するため、通常は2~4kgの体重増加がみられます。加えて口寂しさやイライラを防ぐためにいつも以上に食べ過ぎてしまうことにより、さらに体重が増えてしまうことも考えられます。しかし、体重が増加したとしても禁煙することにより得られるメリットははるかに大きいといわれています[1]。体重増加を気にして禁煙をためらったり、せっかく禁煙できたのに体重増加を理由に喫煙を再開しないように、体重を上手にマネジメントしていきましょう。ここでは禁煙後の上手な体重マネジメントの方法について示します。

わが国のたばこ規制・対策の現状

日本において、2000年からの健康日本21(第一次)以降、健康増進法の改正をはじめとするさまざまなたばこ規制・対策が実施されています。しかし、2005年に発効したWHO「たばこ規制枠組条約」において求められている内容と比較すると、まだ十分でない点が多く、今後のさらなる取り組みが必要です。

喫煙と呼吸器疾患

たばこを吸うと、基礎的疾患がない場合でも、呼吸器疾患を引き起こす原因となります。喫煙は、さまざまな呼吸器症状を引き起こし、喘息のリスクを高めます。また慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発生と、それによる死亡を引き起こす可能性があります。
それだけでなく、肺機能の発達障害や、呼吸機能の早期の低下にもつながります。さらに、新型コロナウイルスに感染したとき、喫煙者は非喫煙者と比較して、重症となる可能性が高いことが報告されています。

喫煙者本人の健康影響

喫煙はがんをはじめ、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、2型糖尿病、歯周病など、多くの病気と関係しており、予防できる最大の死亡原因であることがわかっています。
また、喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクを高めるだけでなく、総死亡率が高くなることもわかっています。

若者の飲酒と健康、事件・事故との関係

本記事は現在、更新中です。

アルコール性肝炎と非アルコール性脂肪性肝炎

アルコール性と非アルコール性、2つの肝炎の組織像は類似しており、肝臓内の酸化ストレスなど共通の発症メカニズムが研究されています。両者とも進行すると肝硬変や肝臓がんに至ります。

アルコールとうつ、自殺

アルコール依存症とうつ病の合併は頻度が高く、アルコール依存症にうつ症状が見られる場合やうつ病が先で後から依存症になる場合などいくつかのパターンに分かれます。アルコールと自殺も強い関係があり、自殺した人のうち1/3の割合で直前の飲酒が認められます。

アルコールとメタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームに関わる高血圧・脂質異常症・高血糖・内臓脂肪の蓄積・脂肪肝には、お酒の飲みすぎが関与している場合が多数見られます。厚生労働省の「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病のリスクの高い飲酒量として、男性1日平均40g以上、女性20g以上とし、そのような飲酒者を減らすことを目標としています。また一般的に、週に2日間程度の休肝日を入れることも推奨されます。

アルコールと循環器疾患

適量の飲酒は循環器疾患に保護的に働くといわれています。過度の飲酒は逆に循環器疾患のリスク因子になります。「節度ある適度な飲酒」を守ることが肝要です。また、循環器疾患以外のリスクや持病・体質等も考えると、現在飲酒していない人や飲めない人に対して飲酒を強要しないことも重要です。

アルコールとすい臓病

すい臓(膵臓)病には急性すい炎と慢性すい炎および慢性すい炎から起こる糖尿病があります。飲みすぎる人がすべてすい臓病になるわけではありませんが、すい臓病の原因としてアルコールの飲みすぎが多くなっています。特に慢性すい炎の状態ではお酒がやめられないアルコール依存症になっている場合が多く見られます。したがって常習飲酒者で慢性すい炎の診断を受けた場合は、断酒をするべくアルコール依存症治療の専門病院への受診をお勧めします。

アルコールと肝臓病

アルコールの飲みすぎにより、いろいろな臓器に病気が起こりますが、なかでも肝臓病は最も高頻度で、かつ重篤にもなる病気です。アルコール性肝障害は一般的に飲酒量が多いほど、飲酒期間も長いほど進行しやすいのですが、若年の肝硬変や、女性の中には比較的少ない飲酒量で短期間に肝硬変になる人がいるなど、個人差や性差が大きい病気です。はじめに起こるのはアルコール性脂肪肝で、飲みすぎれば多くの人に発生します。一部の人はアルコール性肝炎になり、まれに重症化して死亡することもあります。わが国では、明らかなアルコール性肝炎の既往なしに肝臓が線維化して硬くなる肝線維症が多く、さらに飲み続けると肝硬変へと進行します。アルコール性肝障害の早期発見と、そうならないような飲み方が大切です。

口腔機能の健康への影響

口腔は食事や会話、容姿といった人と人とのつながりや言語、非言語的コミュニケーションに欠かすことができない重要な役割を担っています。口腔機能が低下すると食べられる食物の種類や量が制限されるので、栄養のバランスがとりにくくなり、食事の質が悪くなるため、免疫や代謝といった機能の低下から病気にかかりやすく、治癒しにくくなります。

口臭の原因・実態

口臭の大部分は口の中に原因があり、その多くは舌苔(ぜったい)と歯周病です。全身疾患の兆候として現れる呼気経由の口臭もありますが、極めて限定的と考えて良いと思われます。口臭は自己識別が難しいこともあって、気にする人が多い一方で強いにおいを無自覚な人も多いという社会的な健康問題となっています。

歯周病の予防と治療

歯周病予防の基本は歯垢がつかないようにすることで、毎日の歯みがきや定期的な歯石除去が有効です。しかし歯周病になった場合は歯科医師や歯科衛生士がもっと専門的に歯の清掃をしたり咬み合わせの調整を行ったりします。また重度の場合は歯ぐきの手術が必要なこともあります。

歯周疾患の自覚症状とセルフチェック

歯周病は、歯の周囲の汚れ(プラーク)のなかに含まれる細菌の毒素で歯ぐき(歯肉)に炎症が起き、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けていく病気です。しかし、初期段階ではなかなか自分自身で自覚できるような症状は出てきません。気になる症状があったら、歯科医療機関での検査を受ける必要があります。

歯周病とは

歯周病とむし歯(う蝕)は歯科の2大疾患といわれており、成人期において歯を失う原因の多くは、歯周病もしくはむし歯によるものです。ここでは、歯周病の原因などについて解説していきます。

う蝕の原因とならない代用甘味料の利用法

スクロース(砂糖)などの発酵性糖質に替わってう蝕の原因にならない代用甘味料を上手に利用することが、う蝕予防にとって重要です。いろいろな代用甘味料が開発されており、内閣府消費者庁が許可している特定保健用食品(トクホ)や国際トゥースフレンドリー協会認定食品に利用されています。う蝕予防のため、特に食間にはこれらの食品を活用し、メリハリのある食習慣をつけることが肝要です。

体の不調はうつ病でも現れます。かかりつけ医へ相談してみましょう

うつ病は、何もやる気が出ない(意欲低下)・悲しい気持ちになる(抑うつ気分)などの「こころの症状」と、食欲がでない(食欲低下)・眠れない/起きられない(不眠/過眠)・体がだるい(倦怠感)・口が渇く・頭痛・動悸・めまいや耳鳴りなどの「体の症状」が現れる病気です。体の症状が目立つため、こころの症状に気づきにくいことがあります。体の不調を感じたときは、かかりつけ医に相談してみましょう。

心筋梗塞発症の危険因子:抑うつとストレス

急性心筋梗塞をはじめとする循環器疾患は、老化や高血圧・喫煙・肥満・糖尿病など全身血管の動脈硬化をきたす疾患が原因となっていますが、発症の引き金としてストレスやうつなどの影響が大きいことが知られています。⽣活習慣病予防と同時にこころの健康維持も、循環器疾患の予防のためにとても大切です。

こころとからだ

普段からだは自律神経系・内分泌系・免疫系のバランスによって微妙に調節されています。しかしストレスによりこのバランスが崩れたりすると、からだの病気が生じます。逆にからだの病気はこころにも影響します。また日常のストレスは食べ過ぎ・飲みすぎといった不健康な行動を通しても間接的にからだの病気を引き起こすので、お互いの関係をよく知っておくことは大切です。

睡眠と生活習慣病との深い関係

質の悪い睡眠は生活習慣病の罹患リスクを高め、かつ症状を悪化させることが分かっています。睡眠問題は「睡眠習慣」と「睡眠障害」の問題に分けられます。睡眠習慣については睡眠不足やシフトワークなどによる体内時計の問題、睡眠障害については睡眠時無呼吸と不眠症の問題を取り上げ、それぞれ生活習慣病との関係を明らかにします。

子どもの睡眠

小児の睡眠不足や睡眠障害が持続すると、肥満や生活習慣病(糖尿病・高血圧)、うつ病などの発症率を高めたり症状を増悪させたりする危険性があります。適切に対処していくには「早起き・早寝」という基本的な生活習慣から見直すことが必要です。

睡眠不足や睡眠障害、子どもへの大きな影響

子どもの生活時間の夜型化や睡眠時間の減少は、成長の遅れ・注意や集中力の低下・眠気・易疲労感などをもたらします。睡眠を妨げる肥満による睡眠時無呼吸症候群は、子どもにも増えています。適切な睡眠習慣と健康に関する知識を啓発していく必要があります。

昼間の眠気 -睡眠時無呼吸症候群・ナルコレプシーなどの過眠症は治療が必要

昼間の眠気が強く、目覚めていられない場合(過眠症)は要注意です。ナルコレプシーなどの過眠症は、学業・仕事の妨げになるだけでなく、転倒・転落したり、交通事故の当事者となったりと、事故の危険性が高まります。睡眠時無呼吸症候群は放っておくと生活習慣病を悪化させます。検査を受け必要な治療を受けることが大切です。

不眠症

不眠症とは、入眠障害(寝つきが悪い)・中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)・早朝覚醒(早朝に目覚めて二度寝ができない)などの睡眠問題があり、そのために日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠は誰でも経験しますが、自然に改善して再び眠れるようになることが大部分です。ただし、いったん慢性不眠症に陥ると適切な治療を受けないと回復しにくいといわれています。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・薬の副作用など様々で、原因に応じた対処が必要です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。家庭での不眠対処で効果が出ないときは専門医に相談しましょう。睡眠薬に対する過度の心配はいりません。現在使われている睡眠薬は適切に使用すれば安全です。

健やかな眠りの意義

健やかな睡眠があってこそ十分な休養をとることができます。
現代生活はシフトワークや長時間通勤・受験勉強・インターネットやゲームをしての夜型生活など、睡眠不足や睡眠障害の危険で一杯です。睡眠不足による産業事故、慢性不眠によるうつ病や生活習慣病の悪化など、睡眠問題を放置すると日中の心身の調子にも支障をもたらします。
私たちは人生の3分の1を眠って過ごします。最も身近な生活習慣である睡眠にもっと目を向けてみませんか。

食物と薬の相互作用(理論編)

本記事は現在、更新中です。

腸内細菌と健康

腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息していることが知られています。体の健康には、腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が占める割合を増やすことが重要です。善玉菌を増やすオリゴ糖や食物繊維を十分にとって、同居人である腸内細菌と協同して健康を作ることが大切です。

食物繊維の必要性と健康

食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、積極的に摂取することが勧められます。

ブレスローの7つの健康習慣を実践してみませんか?

肥満症や高血圧などの生活習慣病は、環境や生まれつきの遺伝的な要素にも関係していますが、食習慣や運動習慣などの生活習慣にも大きく関わっていることが知られています。「7つの健康習慣」は米国のブレスロー教授が生活習慣と身体的健康度との関係を調査した結果から広く知られるようになりました。

嗜好飲料(アルコール飲料を除く)

嗜好飲料とは、個人の嗜好を満足させるために用いられる飲料を指し、「茶類」「コーヒー」「清涼飲料」「ジュース・果汁入り飲料」「スポーツドリンク」などが挙げられます。糖類を含む嗜好飲料の多飲はエネルギーの過剰摂取となり、肥満をきたすおそれがあります。

今日の健康問題・食料問題に対応し、食生活の方向を示す「食生活指針」

今日の私たちの食生活に関連しては、「健康問題」や「食料問題」がみられます。「食生活指針」は、これらの問題に対応して、日々の食生活をどのようにしたら良いかを10項目にまとめて示しています。

食生活のあり方を簡単に示した栄養3・3運動

「栄養3・3運動」は、健やかな毎日のための基本的な食生活のあり方を簡単に示したもので、「3・3」は3食・3色を意味し、毎日、朝・昼・夕の3食と、3色食品群のそろった食事をとるよう勧めています。

脂質異常症(基本)

血液中の脂質の濃度が基準の範囲にない状態を脂質異常症といいます。脂質異常症には、他の基礎疾患と関係のない「原発性脂質異常症」と、他の疾患(肥満、糖尿病、腎疾患、内分泌疾患、肝疾患など)や薬物使用に基づいて起こる「続発性脂質異常症」があります。

便秘と食習慣

快便は、快食、快眠と並び健康的な生活を支える三原則の一つと言われています。しかし、不規則な食生活やバランスの偏った食事、運動不足やストレスなどの要因、ならびに近年の高齢化の進展に伴い、便秘の有訴者率が増加傾向にあります。ここではまず、2017年10月に発行された慢性便秘症診療ガイドライン2017[1]より、便秘・便秘症の定義と診断基準をご紹介した後、その予防と治療における食習慣を含めた生活習慣のあり方について解説します。

若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題

多くの若い女性が持つ「やせ願望」やダイエット指向。実はその多くの者がやせる必要がないのに、偏った食生活を送ったり極端なダイエットを繰り返しています。若い女性の「やせ」は多くの健康問題のリスクを高め、さらに若い女性や妊婦の低栄養問題は「次世代の子ども」の生活習慣病のリスクを高めると危惧されています。

高尿酸血症の食事

高尿酸血症は何らかの原因によって血液中の尿酸が異常に多いものです。血液中の尿酸値が異常に高い状態が続くと、尿酸が関節(特に足の指)などに沈着して腫れ上がり、激痛(痛風発作)を覚えます。かつてはお金持ちの病気と考えられ「帝王病」「贅沢病」といわれていましたが、その発症に生活習慣が深くかかわる生活習慣病のひとつです。患者の多くに肉食・大酒・肥満が特徴的に見られ、脂質異常症・糖代謝障害を合併しています。
高尿酸血症の食事療法では「肥満の解消および予防を目的とした適正エネルギー摂取」「尿酸の原料となるプリン体の過剰摂取制限」「飲酒習慣がある場合は適正飲酒」「尿酸の排泄を助けるために十分な飲水」を行います。

肥満と健康

健康づくりにおいて、肥満の予防は重要な位置づけを持ちます。肥満度の判定にはBMI(Body Mass Index)が用いられますが、同じBMIでもどこに脂肪がついているかで健康への危険性は大きく異なります。肥満のタイプは「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」に分けられ、前者の方が生活習慣病を発症するリスクが高いことがわかっています。肥満の予防には、食生活の見直しと併せて継続的に運動を取り入れることにより、さらに効果が期待できるでしょう。

内臓脂肪減少のための運動

運動単独で内臓脂肪を減少させるためには、少なくとも週当たり10メッツ・時以上の有酸素性運動を加える必要のあることが、系統的レビューにより報告されています。有酸素性運動であれば、種目・強度の違いによる効果の差は認められておらず、ウォーキング・自転車エルゴメータ・ジョギング等いずれの種目を用いる場合でも、エネルギー消費量をより高めるよう実践することが重要です。

脳血管障害・脳卒中

脳血管障害(脳卒中)には、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血があります。いずれも高血圧が最大の原因です。

特定健康診査の検査項目

特定健康診査は、いわゆる「健診」のことで、問診、身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査などを行います。メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を早期発見し、早期対策に結びつけることが目的です。

特定保健指導の実際

特定保健指導では、特定健康診査の結果に基づき、メタボリックシンドロームの人には「積極的支援」、その予備群には「動機づけ支援」、それ以外の受診者には「情報提供」が行われます。

メタボリックシンドロームの診断基準

日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると、「メタボリックシンドローム」と診断されます。

メタボリックシンドローム(メタボ)とは?

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。単に腹囲が大きいだけでは、メタボリックシンドロームにはあてはまりません。