身体活動・運動を安全に行ううえで確認すべき事項やタイミング、注意点について紹介しています。「運動開始前の健康チェックシート」のほか、運動前、運動中、運動後の体調確認やウォームアップ・クールダウンについても記載しています。
※本シートは厚生労働省のホームページに掲載されています。
運動時の安全対策を考える場合、「いつ」・「何を」確認するのかを整理することが重要です。確認するべき事項とタイミングは以下の5点です。
身体活動・運動時の安全対策を考える場合、まずは普段からの健康管理が重要です。必要に応じて、慢性疾患の管理のために通院する、体重・体脂肪・血圧・脈拍・体温を確認するなどの自己管理を行うことが大切です。
新たに運動を開始する場合、高血圧や糖尿病、運動で悪化する整形外科的な問題、内服薬の情報等の、身体活動・運動に関連して注意が必要な状況を把握する必要があります。例えば、血圧は運動により上昇することから、普段から高血圧がある場合は注意が必要です。また、高血圧に対する一部のカルシウム拮抗薬、α遮断薬、β遮断薬等は心拍数に影響を与えるため、心拍数が運動強度の指標になりません。主観的運動強度を参考にしましょう。
高齢者では、慢性疾患を有する人の割合が高く、睡眠薬や抗精神病薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、血糖降下薬などの使用が転倒の原因になることもあるので注意が必要です。
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」には、運動実施者本人が健康状態のセルフチェックを行うための「運動開始前の健康チェックシート」があるので、活用してください。
現状の身体活動量の把握では、運動の種類・時間・頻度・期間や日々の歩数などを確認します。
これらの状況から許容される運動強度と身体活動・運動の目的、内容に応じた運動環境・運動施設を考える必要があります。「身体活動・運動ガイド2023」には、健康状態と許容運動強度、危機管理レベルからみた運動環境を示した図を掲載していますので参考にしてください。
毎回の運動前にも、体調確認を行う習慣をつけることが重要です。運動をする当日には、体調や天候の確認も必要です。血圧が高めの方は、体調を確認するとともに、血圧・脈拍を測定し、記録することを習慣化しましょう。過度の高血圧時では、運動実施により心血管イベント(虚血性心疾患など)のリスクになることがあります。収縮期血圧180/拡張期血圧110mmHgのときは運動を控えて休養を取りましょう。
また、ある程度の強度の運動を行う際には、ウォームアップ(準備運動)を必ず行うようにしましょう。
運動中に、胸痛・動悸・めまいやふらつき・強い空腹感やふるえ・いつもと違う強い疲れ・関節や筋肉の強い痛み・冷や汗などの体調の異変を感じたら、直ちに運動を中止しましょう。
運動を急に中止すると、心拍数や1回拍出量は急速に減少し、血圧低下や不整脈が誘発されることがあります。運動後に、5~10分ほどのクールダウン(整理運動)として低・中強度の動的運動を継続することでこれらの症状を防ぎ、疲労回復の促進につながります。
(最終更新日:2024年03月19日)