腹部の大動脈が血管壁が弱くなっているところに血圧などで圧力が加わり膨らんでしまい、瘤のような状態になる病気。
弱くなっている動脈壁が血圧などで圧迫され、瘤のように膨らんでしまうことを動脈瘤といいます。これが腹部の大動脈にできたのが腹部大動脈瘤です。食道や心臓近くの部位にできるものは胸部大動脈瘤と呼ばれます。
腹部大動脈瘤はお腹に力を入れていきんだ時に破裂しやすく、いったん破裂すると出血が多いため非常に危険な病気です。動脈瘤は初期においては自覚症状がない病気ですが、腹部大動脈瘤はお腹を触ると患部に脈動が感じられることがあります。
高齢者では主な原因は動脈硬化により動脈が弱ってもろくなることであり、同じく高齢者に多い高血圧と喫煙がそのリスクをさらに増大させます。腹部大動脈瘤において喫煙は高血圧や糖尿病よりも強い関連があるという研究結果も報告されており、米国予防医療特別委員会のガイドラインでは、喫煙歴のある65歳から75歳の男性には超音波検査を1回行うスクリーニングを推奨するが、喫煙歴のない男性に対しては推奨しないとされているほどです。