厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

e-ヘルスネット

特定保健指導の実際

特定保健指導では、特定健康診査の結果に基づき、メタボリックシンドロームの人には「積極的支援」、その予備群には「動機づけ支援」、それ以外の受診者には「情報提供」が行われます。

twitterでシェアする

facebookでシェアする

特定保健指導とは、特定健康診査の結果に基づき、主にメタボリックシンドロームの予防や解消を目的に行われる健康支援のことです。以下の基準に基づいて、メタボリックシンドロームの人には「積極的支援」、その予備群には「動機づけ支援」、それ以外の受診者には「情報提供」が行われます[1]。保険者によっては、その他の支援が行われることもあります。
例えば最近では、重症化予防の観点から、メタボリックシンドロームに当てはまらない場合でも、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙などのリスクがある人への支援がなされることが多くなっています。なお、特定保健指導の基準は、学会のメタボリックシンドロームの基準とは、少し異なっています。

特定保健指導の判定[1]

特定保健指導の判定

「積極的支援」では、自分自身の健康状態をよく認識してもらい、どうしてそういう状態になったのか、運動や食事など生活習慣との関係を理解してもらい、自分で生活習慣の改善を実行できるよう、医師や保健師、管理栄養士らとともに計画を立て、3~6ヵ月にわたる指導・支援が行われます。

「動機づけ支援」では、同様に現在の自分の健康状態と生活習慣との関係などをよく理解してもらい、生活改善を実行する動機づけのための指導が原則1回行われます。

「情報提供」では、メタボリックシンドロームを予防し、健康を維持・増進するために、どのような生活習慣を続けたらいいかを正しく理解するための情報などが提供されます。

特定保健指導の対象になった場合は、生活習慣を切り替えるチャンスと言えます。特定保健指導はほとんどの場合無料ですので、この機会にメタボリックシンドロームやその予備群であることを解消し、健康な生活を送る方法を学び取ってください。

(最終更新日:2019年11月26日)

山岸 良匡

山岸 良匡 やまぎし かずまさ

筑波大学医学医療系 社会健康医学 教授

茨城県出身。2000年筑波大学医学専門学群(現・医学類)卒業、03年筑波大学大学院博士課程修了。医師、博士(医学)、社会医学系専門医・指導医。筑波大学講師、准教授、ミネソタ大学客員講師などを経て、19年より現職。循環器疾患などの生活習慣病の予防実践と疫学研究が専門。

参考文献

  1. 厚生労働省.標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年度版】.2018.
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000194155.html