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特定健康診査の検査項目

特定健康診査は、生活習慣に着目した健診のことで、問診、身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査などを行います。メタボリックシンドロームや高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を早期発見し、早期対策に結びつけることが目的です。

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特定健康診査は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、保険者が実施することになっています。標準的には、下記の特定健診の基本的な項目[1]が実施されます(加入している保険者によって検査項目が異なる場合があります)。詳細な健診の項目は、一定の基準のもとに、医師が必要と認めた場合に実施されます。
メタボリックシンドロームの対策が目的の一つとなっているために、俗に「メタボ健診」と言われることもありますが、メタボリックシンドロームがわかるだけではありません。肥満を伴わない、高血圧糖尿病脂質異常症や、腎臓、肝臓の検査項目も含まれています。

特定健康診査の検査項目[1]

特定健診の基本的な項目
  • 質問票(服薬歴、喫煙歴等)
  • 身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)
  • 理学的検査(身体診察)
  • 血圧測定
  • 脂質検査(空腹時中性脂肪、やむを得ない場合には随時中性脂肪(空腹時(絶食10時間以上)以外に採血を行う))、HDLコレステロールLDLコレステロール
  • 血糖検査(空腹時血糖又はHbA1c、やむを得ない場合には随時血糖)
  • 肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GT(γ-GTP))
  • 検尿(尿糖、尿蛋白)
詳細な健診の項目 心電図検査
眼底検査
貧血検査(赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値)
血清クレアチニン検査
※一定の基準の下、医師が必要と認めた場合に実施

また、検査項目には喫煙習慣の有無も入ります。喫煙は、動脈硬化の進展や脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを高める原因になるためです。

健診結果には、結果に応じて必要な情報が提供されますので、必ず確認してください。「精密検査を受けてください」「治療を受けてください」というようなアドバイスがある場合には、健診結果を持って医療機関を受診してください。

特定健康診査で見つかる高血圧や糖尿病、脂質異常症等の生活習慣病は、初期には症状がありません。症状がないからといって、特定健康診査を受けないでいると、症状が進行してから病気が見つかったり、脳卒中や心臓病などの病気になってから見つかる場合があります。ふだん持病などで医療機関にかかっている人も含めて、特定健康診査は、年に1回、必ず受診してください。

(最終更新日:2024年12月3日)

山岸 良匡

山岸 良匡 やまぎし かずまさ

順天堂大学大学院医学研究科 公衆衛生学 教授

茨城県出身。2000年筑波大学医学専門学群(現・医学類)卒業、03年筑波大学大学院博士課程修了。医師、博士(医学)、社会医学系専門医・指導医。筑波大学講師、准教授、ミネソタ大学客員講師などを経て、19年より筑波大学医学医療系社会健康医学教授。2024年より現職。循環器疾患などの生活習慣病の予防実践と疫学研究が専門。

参考文献

  1. 厚生労働省.標準的な健診・保健指導プログラム【令和6年度版】.2024.
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000194155_00004.html