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動脈硬化(どうみゃくこうか)

動脈が硬くなって弾力性が失われた状態。
血管壁にプラークがついて血管内が狭くなったことにより、血栓が生じたりして血管が詰まりやすくなる。

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動脈は、心臓から送り出される血液を全身に運ぶ血管です。酸素や栄養素を運ぶ重要な役割を持っており、通常は弾力性がありしなやかですが、加齢や高血圧などの危険因子によって厚く硬くなってしまいます。この変化を動脈硬化と呼びます。

動脈硬化にはいくつかの種類があります。
大動脈など比較的太い動脈に粥腫(じゅくしゅ)ができるのが、粥状動脈硬化(アテローム動脈硬化)です。動脈の内膜に血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)などが入り込んでドロドロの粥状物質(プラーク)となり蓄積すると、血管が狭くなり、臓器に酸素が行き渡らなくなるため、狭心症や一過性脳虚血発作が起こります。また、プラークが破綻して内部に広がり血栓ができると、血管が詰まってしまうため、心筋梗塞や脳梗塞に至ります。
また、主に脳や腎臓にある細い動脈が硬化してしまうことを細動脈硬化と呼びます。主に高血圧によって引き起こされ、進行すると血管が破裂して脳出血に至る恐れがあります。その他、動脈の中膜にカルシウムが沈着蓄積して硬くなる中膜硬化(メンケルベルグ型硬化)があります。

動脈硬化は、加齢・喫煙・脂質異常症・高血圧・飲酒・糖尿病などの危険因子が重なることによって発症しやすくなります。

(最終更新日:2024年7月18日)

有屋田 健一

有屋田 健一 ありやだ けんいち

筑波大学大学院人間総合科学学術院 社会健康医学

2014年広島大学医学部医学科卒業。日本脳神経外科学会専門医。日本脳卒中学会専門医。

参考文献

  1. 日本動脈硬化学会編.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.一般社団法人日本動脈硬化学会,2022.