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高血圧症

日本人の高血圧の最大の原因は、塩分のとりすぎです。若年・中年の男性では、肥満が原因の高血圧も増えています。飲酒・運動不足も高血圧の原因です。高血圧は喫煙と並んで、日本人にとって最大の生活習慣病リスク要因です。

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高血圧症とは、血管の中を流れる血液の圧力が強くなり続けている状態です。進行すると血管壁の弾力性やしなやかさが失われ、また血管壁に傷が生じて、その傷にLDLコレステロールなどが沈着すると動脈硬化が促進されます。

高血圧症の95%は原因を特定できない本態性高血圧であり、その背景には遺伝的体質に塩分の過剰摂取・肥満・飲酒・その他の生活習慣要因などが複合的に重なっていると考えられ、メタボリックシンドロームとも関係の深いものです。残りの5%は特定の病気が原因となって引き起こされる高血圧で、二次性高血圧と呼ばれます。睡眠時無呼吸症候群でも高血圧を合併します。

高血圧症の診断基準によると、収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と診断します。一方でメタボリックシンドロームの診断基準による血圧の項目は、収縮期血圧が130mmHg以上拡張期血圧が85mmHg以上となっており、高血圧症の診断基準における正常高値の状態も含まれます。

メタボリックシンドロームは複数のリスクファクターが重なって動脈硬化を進行させるため、高血圧診断基準で正常高値の数値であっても、油断は禁物です。一方で肥満がなくメタボリックシンドロームの基準に当てはまらない場合で、高血圧単独であっても多くの病気を引き起こします。高血圧が進んで動脈硬化になると、狭心症や心筋梗塞・心不全などに進んでいく怖れもあります。また脳では、脳梗塞・脳出血などの脳血管障害を引き起こします。日本人では高血圧から脳梗塞や脳出血にかかる人が、欧米人に比べて格段に多くなっています。

高血圧症の予防に欠かせないのは、塩分摂取量の制限です。1日の塩分摂取量は7~10g程度が目安であるため、薄味にして、醤油・ソースなどの調味料は極力控えることです。漬け物をたくさん食べる習慣のある人や、味噌汁を1日に2杯以上のむ人は、1回の量を減らすことが大切です。ラーメンなど麺類の汁を全部飲んでしまうと、それだけで10g近い塩分をとってしまいます。一方で野菜をたくさん食べてカリウムを摂取すると、塩分が排泄されやすくなります。また血管を丈夫にするために、たんぱく質カルシウムを積極的に摂取することも大切です。

また日本人では、肥満を伴わない高血圧が半数以上を占めますが、若年~中年の男性を中心に肥満、特に内臓肥満を伴う高血圧が増えています。このような高血圧では、まず最小血圧が高くなりやすく、次第に最大血圧も高くなってきます。このような人では、やがて血清脂質や血糖・尿酸・肝機能にも異常を来し、メタボリックシンドロームに進行していきますので、特定保健指導を利用して進行しないうちに減量を始めることが重要になります。

高血圧は自覚症状がほとんどなく自分では気づかないので、毎年健診を受けることが極めて重要です。健診で行う心電図や眼底検査では、高血圧による長期の影響がわかることがありますので、これらの検査を受けることも有用です。また家庭用血圧計を購入し、自宅で毎朝測ることもお勧めします。

公益財団法人結核予防会 新山手病院 生活習慣病センター長 宮崎 滋

筑波大学 医学医療系 社会健康医学 講師 山岸 良匡