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糖尿病を改善するための運動

糖尿病の治療には、運動療法・食事療法・薬物療法の3本柱があります。運動療法により血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病を改善します。運動療法の目標として、運動の頻度はできれば毎日、少なくとも週に3~5回、運動量は20~60分、運動強度は中等度(ややきつい)の全身を使った有酸素運動が一般的に勧められています。

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糖尿病実態調査の結果によると、糖尿病の有病者か予備群は国内で1600万人以上にのぼると報告されていますが、現在、過剰な食事摂取・運動不足・ストレスなどの生活習慣を主因として急増している糖尿病はⅡ型糖尿病であり、全糖尿病患者の約9割を占めています[1]

糖尿病の治療には、運動療法・食事療法・薬物療法(経口血糖降下薬・インスリン治療)の3本柱がありますが、日本糖尿病学会の科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドラインによると、糖尿病治療の基本として、「1. 食事療法と運動療法を中心として血糖値をコントロールすること、また肥満を解消すること」「2. 必要があれば経口血糖降下薬やインスリン療法を行う」「3. 血圧や脂質代謝の管理を行う」「4. 治療の目標は、急性・慢性の合併症の予防、合併症の治療とその進展抑制である」とされています[2]

運動療法は、血糖コントロール・インスリン抵抗性・脂質代謝の改善が得られ、糖尿病を改善します。さらに運動により、内臓の脂肪細胞が小さくなることで肥満を改善し、脂肪組織から産生されるアディポサイトカインなどのインスリンの働きを妨害する物質の分泌が少なくなります。このため筋肉や肝臓の糖の処理能力が改善し、血糖値が安定します。運動療法には以下のような運動種目・時間・強度・頻度が一般的に推奨されています[2]

運動種目
運動により使われた筋が糖や遊離脂肪酸の利用を促進させるため、できるだけ全身の大きな筋を使用するウォーキング(速歩)・ジョギング・水泳・自転車などの有酸素運動を行ないます。
運動時間
運動の開始初期には、エネルギー源として主に筋グリコーゲンが利用されますが、運動開始10分後以降では血中の糖、15分後以降では遊離脂肪酸も利用するため、1回の運動継続時間は20分以上が必要です。
運動強度
エネルギー源として糖と遊離脂肪酸の両方が利用される中等度「ややきつい」と感じる程度の運動強度(心拍数が100-120拍/分、最大酸素摂取量の40-60%)あるいはそれ以下の強度が適切です。
運動頻度
糖の処理能力を高め運動後約12-72時間持続させることにより、血糖値を低下改善させるため、運動はできれば毎日、少なくとも1週間のうち3日以上行う必要があります。

運動を実施するタイミングは、生活の中で実施可能な時間であればいつ行っても構いませんが、特に食後1時間後に行うと食後の高血糖状態が抑制されると考えられています。

運動療法の進め方として、まずメディカルチェックを受けて運動療法の可否を確認した後に、個人の基礎体力・年齢・体重・健康状態などを踏まえて運動量を設定しましょう。最近の研究では、1週間に合計150分以上の運動を行うと効果的だといわれています。最初は歩行時間を増やすなど身体活動量を増加させることから始め、個人の好みにあった運動を取り入れるなど段階的に運動を加え、安全かつ運動の楽しさを実感できるように工夫していくことが運動を継続するために重要なポイントとなります。

運動を実施する上での注意点としては、準備・整理運動を十分に行うこと、血糖がコントロールされていないⅠ型糖尿病患者、空腹時血糖250mg/dl以上または尿ケトン体陽性者では、運動中に高血糖になることがありますので注意しましょう。また逆に、インスリンや経口血糖降下薬(特にスルホニル尿素薬)で治療を行っている方の場合は低血糖になりやすいことに注意する必要があります。

参考文献

  1. 厚生労働省健康局生活習慣病対策室.
    平成17年国民健康・栄養調査の概要.
    2007.
  2. 日本糖尿病学会.
    科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン.
    2007.