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糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)

糖尿病の合併症で腎臓の機能が低下した症状。

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腎臓は左右に一対あり、血液を濾過して老廃物を尿として排泄しながら、体内の水分量や電解質バランス・血圧などを調節している臓器です。

糖尿病で高血糖の状態が長く持続すると、組織のたんぱく質に血液中のブドウ糖が結合した物質が増えて、全身の小さな血管を傷めつけ血管が詰まったり破れたりします(糖尿病性細小血管症)。腎臓の濾過装置である糸球体は細い血管が多いのでこれが起こりやすく、その結果腎機能が低下したものを糖尿病性腎症と呼んでいます。

糖尿病性腎症の初期はほとんど自覚症状がありません。進行するとむくみ・貧血・高血圧などを伴い、最後は人工透析が必要になります。人工透析の原因疾患の第1位が糖尿病性腎症で、糖尿病の増加に歯止めがかからないわが国では毎年1万人以上の患者さんが人工透析を始めるに至っています。

糖尿病性腎症の早期発見には、簡単な尿検査ですむ微量アルブミン尿検査が有効ですので、糖尿病の患者さんは血糖値の良好なコントロールを心がけるとともに、定期的に検査を受けて腎機能を確認しておくことが大切です。