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脂質異常症(基本)

血液中の脂質の濃度が基準の範囲にない状態を脂質異常症といいます。動脈硬化性疾患にならないようにするためには、早期に脂質異常症を改善する必要があります。いずれの脂質も食事から摂取するだけでなく、肝臓で作られて血液で全身に運ばれますから、摂取する栄養素の量と組み合わせを調整して対応しましょう。

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脂質異常症とは、血液中の総コレステロール・LDLコレステロール・トリグリセリドのうちいずれかの濃度が基準の値よりも高い「高脂血症」か、HDLコレステロール濃度が基準の値よりも低い「低HDLコレステロール血症」を指します。いずれも動脈硬化性疾患やメタボリックシンドロームの危険因子であるため、これらの予防・治療のために脂質異常症を改善する必要があります。遺伝素因のほか、肥満によってLDLコレステロールやトリグリセリドの合成が高まり、HDLコレステロール濃度が低くなります。脂質異常症の予防や治療の基本は、食生活をはじめとする生活習慣を改善することです。薬物療法が必要な場合もありますので、早めに医師に相談しましょう。

1. 体重を適正にする。

いずれの脂質異常症でも、まず体に貯まっている余計な脂肪を減らしましょう。大人の場合、「身長(m)×身長(m)×22」を適正な体重(kg)の目安にします。その体重に近づくように、エネルギーの摂取を調整しましょう。

2. 高LDLコレステロール血症の原因と対策

LDLコレステロールを血液中に溜めやすくする飽和脂肪酸の摂取量を減らし、多価不飽和脂肪酸を摂取するようにします。また食事からコレステロールを多く食べ過ぎている人は、コレステロールの摂取を制限することも必要です。また積極的にコレステロールを対外へ排泄するためには、食物繊維の摂取量を増やすことが役立ちます。

3. 高トリグリセリド血症の原因と対策

トリグリセリドは肝臓で余分な糖質から合成されます。これを抑えるために、糖質の摂取量を制限します。過剰なアルコールも、トリグリセリドを合成する原因となります。アルコール摂取制限の効果は短い期間で現れますので、まずは禁酒か節酒をしましょう。一方、脂肪酸のうち、n-3系多価不飽和脂肪酸は肝臓でトリグリセリド合成しにくくするため、積極的に摂取するようにします。

4. 高カイロミクロン血症の原因と対策

血液中の脂質を分解する酵素の働きが著しく悪く、トリグリセリドが1000mg/dL以上にもなる高カイロミクロン血症では、急性膵(すい)炎を予防するために脂質の摂取を総エネルギーの15%以下に制限します。

5. 脂質の酸化を防ぐ

血液中の脂質が多いと、その脂質が酸化変性をうけて動脈硬化を起こしやすい状況になります。ビタミンC・ビタミンE・カロテノイド類やポリフェノール類などの酸化を防ぐ成分を積極的に摂取するようにしましょう。

参考文献

  1. 日本動脈硬化学会診療・疫学委員会
    動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版.
    日本動脈硬化学会, 2012.