便秘を引き起こす腸管の機能的異常の要因には「不規則な食事・生活」「食物繊維・水分・脂質などの摂取不足」「低栄養」「ビタミン欠乏症」「全身衰弱」「緊張・恐怖・悲しみなどの精神的要因」「神経障害」「浣腸や下剤の乱用」「体質」「職業性(便意があっても排便できない職業の人)」「便意を抑制する習慣」などがあります。
予防や治療には食生活をはじめとする生活習慣の見直しを第一に行いましょう。また薬物の安易な使用は避けましょう。
便秘とは、便中の水分が乏しく硬くなる、もしくは便の通り道である腸管が狭くなり排便が困難または排便がまれな状態をいいます。通常は1日1-2回の排便がありますが、2-3日に1回の排便でも排便状態が普通で本人が苦痛を感じない場合は便秘といいません。しかし毎日排便があっても便が硬くて量が少なく残便感がある場合や、排便に苦痛を感じる場合は便秘といえます。
便秘を引き起こす腸管の機能的異常の要因には「不規則な食事・生活」「食物繊維・水分・脂質などの摂取不足」「低栄養」「ビタミン欠乏症」「全身衰弱」「緊張・恐怖・悲しみなどの精神的要因」「神経障害」「浣腸や下痢の乱用」「体質」「職業性(便意があっても排便できない職業の人)」「便意を抑制する習慣」などがあります。
便秘になると便通不良になるばかりでなく、腸内容物の腐敗などが進行して有害物質が生成され、下腹部不快感・膨満感・腹痛・悪心・嘔吐などの障害をきたす恐れがあります。
便秘は臨床的に「機能性便秘(腸管機能の異常による便秘)」と「器質性便秘(腸管の疾病による便秘)」の大きく2つに分けられます。このうち機能性便秘は、さらに弛緩性便秘・痙攣性便秘・直腸性便秘の3つに分けられますが、日本人の常習性便秘の約2/3は弛緩性便秘といわれています。
弛緩性便秘の予防や治療には、規則正しい日常生活・食事・排便・適度な運動を心がけましょう。栄養・食生活の面からは、以下に示すポイントについて出来ることから取り入れてみましょう。
これらのポイントに留意するとともに、水分を十分に補給しましょう。特に朝食を欠食しないようにして規則正しい食生活を心がけましょう。それから薬物に頼らず、栄養食事療法・運動療法を根気強く続けて自然な排便リズムを回復することが理想的なので、朝食後など決まった時間での排便を、たとえ便意がなくても毎日続けて習慣化させましょう。
痙攣性便秘は、腸管の自律神経失調によりおこります。大腸の痙攣性収縮によって便の輸送が障害されます。大部分は過敏性腸症候群です。精神的な影響を受けやすく、消化器症状以外の不定愁訴や自律神経失調症状を伴うことがよく見られます。
便秘は間欠で若年者や中年女性に多くみうけられます。予防や治療には、規則正しい日常生活・食生活を心がけましょう。また、過労・ストレスが原因であることも多いため、それらの解消に努めましょう。ただし運動は避け、休養は十分にとりましょう。栄養・食生活の面からは、以下に示すポイントについて、出来ることから取り入れてみましょう。
直腸性便秘は、摘便・坐薬・浣腸などにより便塊を除去したあと、弛緩性便秘と同様の対応をとりましょう。
器質性便秘の場合は、結腸癌・直腸癌・イレウスなどの腸管における気質的な疾患の根本的な治療が必要です。