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メタボリックシンドロームを予防する食事・食生活

メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満を共通の要因として、高血糖・脂質異常・高血圧を呈する病態で、診断基準のひとつにウエスト周囲径があります。この予防には食事・食生活が重要です。食行動と行動変容の準備状態・食事内容の現状を認識し、目標達成に向けた活動と、やる気が継続できるしかけを自分なりに工夫をすることが大切です。

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メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の疾患概念と診断基準は日本内科学会等内科系の8つの学会で示されました。
これは内臓脂肪型肥満を共通の要因として、高血糖脂質異常高血圧を呈する病態で、それぞれが重複した場合には虚血性心疾患脳血管疾患などの発症危険度が高く、内臓脂肪を減らすことで、この危険度が低くなるという考え方を基本としています。また診断基準を「ウエスト周囲径男性85cm以上女性90cm以上(内臓脂肪面積:男女とも100cm2以上相当)」で「1. 血圧の収縮期130mmHg以上かつ拡張期85mmHg」「2. 空腹時血糖値110mg/dl以上」「3. 中性脂肪150mg/dl以上かつ/またはHDLコレステロール40mg/dl未満」の1.から3.のうち2つ以上該当する場合としています。

では内臓脂肪と皮下脂肪の違いは何でしょう?
皮下脂肪は過剰エネルギーをゆっくりと脂肪として蓄積していきますが、内臓脂肪は速やかに反応します。逆に空腹時や運動に対してもゆっくりエネルギーを出す皮下脂肪に対して内臓脂肪はすぐ燃えます。皮下脂肪は定期貯金、内臓脂肪は出し入れ簡単な普通貯金にたとえられます。

メタボリックシンドロームの予防には、言うまでもなく食事・食生活が重要です。
では内臓脂肪や体重を適切に維持するために影響する要素を見てみましょう。1つは遺伝・体質・年齢などの生理的要因、2つめは食べ方や動き方・考え方などの行動的要因、3つめは都市化・機械化・食品のアクセスや、価値観・美意識など環境的要因です。これらの中でここでは行動的要因に注目してみましょう。

まず何のために望ましい食事や食生活をする必要があるのでしょうか?最終的な到達点(目的)やそこにたどり着くまでの到達点(目標)の確認をします(ゴール設定)。そしてこれらを記録することが重要です。
次に自分の食事や食習慣を身体の状況や健診結果との関連で振り返ってみます(アセスメント)。食生活の問題の認識はあるか、行動変容する気はあるか(行動変容の準備状態)、今の身体の状況を引き起こしている要因になる食行動や食事かを振り返ってみましょう。「満足するまで食べる・残りものをつい食べてしまう」「野菜が嫌い」「間食が多い」「午後9時以降に食べることが多い」「早食い・ながら食いが多い」などの食行動パターンとその結果どんな食事内容かを認識しましょう。
その中で変えられそうな食行動は何か(行動目標の設定)、その行動を変えることでどのくらい身体状況の改善や自分や家族にとってのメリットがあるかを考えます。中には改善する意欲はあっても正確な情報の欠如により、望ましい食行動につながらないこともあります。

食事を捉える視点には「栄養素」「食材料・食品」「料理・料理群」があります。疾病のある人は栄養素が、日ごろ調理している人は食材料が、また食べるだけの人には料理で学習するというように、学習者にとってどこから入ることが重要か、また理解しやすいかで判断します。栄養素は目に見えるものではないので理解は難しいですが、動機付けになる人もいます。また食材料は6群・4群・3群等の分類がありますが、どの分類が適しているかは人によって異なります。料理は料理群(主食・主菜・副菜)や各料理で表しますが、特に食事バランスガイドは重点層を30~60歳代の男性肥満者・単身者・子育てを担う世代にしています。
やる気がでるゴール設定と、現状の把握(自分はどんなタイプか、また改善しようと思った時あきらめそうになった時に励まし、継続を支援してくれる人(家族・友人・専門家)がいるか等)と改善の道のりを認識することが成功への第一歩です。

参考文献

  1. 厚生労働省 健康局
    標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)
    pp19, 2007.
  2. 足達淑子
    ライフスタイル療法II肥満の行動療法
    医歯薬出版, 東京, pp4, 2006.
  3. 日本糖尿病学会 編
    糖尿病食事療法のための食品交換表
    文光堂, 東京, 2002.
  4. 女子栄養大学
    四群点数法
  5. フードガイド(仮称)検討会報告書
    食事バランスガイド
    第一出版, 東京, pp6, 10, 2005.