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脂質異常症(実践・応用)

血液中の脂質の濃度が基準の範囲にない状態を脂質異常症といいます。動脈硬化性疾患にならないようにするためには、早期に脂質異常症を改善する必要があります。いずれの脂質も食事から摂取するだけでなく肝臓で作られて血液で全身に運ばれますから、摂取する栄養素の量と組み合わせを調整して対応しましょう。

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血中LDLコレステロールを下げるためには、体重を適正にし、コレステロール摂取量と飽和脂肪酸の摂取量を制限し、食物繊維を積極的に食べるようにします。トリグリセリドを下げてHDLコレステロール濃度をあげるためには、体重を適正にし、糖質とアルコールを制限して、n-3系多価不飽和脂肪酸を確保します。高カイロミクロン血症の場合は特殊食品の利用も考えましょう。
食生活の改善は長続きできることが肝要ですから、おいしく楽しく食べられる工夫もしましょう。日本人が伝統的に摂取してきた、精白度の低い穀類・大豆・魚・野菜・果物・海藻・きのこなどを組み合わせた日本食で食べることがお勧めです。

1. 体重を適正にする。

「身長(m)×身長(m)×22」を適正な体重(kg)の目安にします。体重は、食事から摂取するエネルギーの量と、活動や生命維持のために使うエネルギー消費量のバランスで決まります。体重を減らさなければならない場合は「肥満と健康」の項を参照してください。

2. コレステロール摂取量を制限するためには

コレステロールを多く含む食品をなるべく避けるようにしましょう。特に卵類(鶏卵・魚卵)・内臓類(レバー・モツ)を1~2ヶ月食べないようにしてみて、血中コレステロール濃度が下がるようならば、コレステロール摂取量の制限が効果的なタイプです。ある程度コレステロール濃度が下がったら、数日に1回程度は食べても大丈夫です。

3. 飽和脂肪酸の摂取量を減らすためには

肉類の脂身や鶏肉の皮・ラード・バター・乳脂肪・ココナッツミルクなどには、血中コレステロールを上げる作用のある飽和脂肪酸が多く含まれます。肉は赤身のものや脂身をとり除いて食べましょう。牛乳も低脂肪乳にするとよいでしょう。

4. 多価不飽和脂肪酸を摂取するためには

1日に大匙1杯程度の植物油を料理に使いましょう。ただしオリーブ油・やし油などには多可不飽和脂肪酸はほとんど含まれません。ドレッシングやマヨネーズは油を少なめにし、使いすぎに注意しましょう。

5. 食物繊維を食べるためには

食物繊維を多く食べるには、主食を精白度の低い胚芽米や麦飯、全粒粉のパンなどにし、3度の食事ごとにたっぷり2皿の野菜類・海藻・きのこ・こんにゃくなどを食べましょう。納豆や豆類にも多く含まれています。

6. 糖質の摂取量を制限するためには

主食の大盛りやお変わりをやめ、菓子類を減らしましょう。甘い果物類も糖質を多く含むので、1日に1個程度にしておきましょう。甘い飲み物やジュースは危険です。人口甘味料を使うか無糖のお茶類に変えましょう。

7. アルコールの制限

高カイロミクロン血症の場合は禁酒です。酒類の種類に係わらずやめておきましょう。節酒を指示された場合は、1日に日本酒なら1合・ビールなら400mL程度・ワインなら200mL程度を楽しむようにしましょう。

8. n-3系多価不飽和脂肪酸の確保は

EPAやDHAといったn-3系多価不飽和脂肪酸は青魚類の脂肪に多く含まれます。1日に魚を1切れ程度食べるようにしましょう。

9. 抗酸化物質をとるには

色のある野菜類には酸化を防ぐ成分が含まれています。食事ごとに色の濃い野菜を必ず一皿は確保するようにしましょう。

参考文献

  1. 日本動脈硬化学会診療・疫学委員会
    動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版.
    日本動脈硬化学会, 2012.