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体重コントロール

「たばこをやめると太るから困る」と思われる方も多いことでしょう。確かに禁煙すると基礎代謝が落ち食欲が増加するため、通常は2~4kgの体重増加がみられます。加えて口寂しさやイライラを防ぐためにいつも以上に食べ過ぎてしまったり、通常以上に体重が増加することも考えられます。体重を気にしすぎて喫煙を再開してしまう方もいるので、体重を上手にコントロールすることは禁煙経過を観察するうえで欠かせない条件といえます。

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1. 体重コントロールの時期

禁煙前から「たばこをやめると太る」と心配される方は多く、禁煙開始とともにダイエットを開始するケースも見受けられます。禁煙開始時には、生活習慣の改善など様々なストレスが加わります。「二兎を追うものは一兎をも得ず」ということわざがあるように、複数の目標を持つことは最も達成すべき目標をも見失いがちです。禁煙開始時は離脱症状の乗り越えに専念し、体重コントロールは禁煙が安定した禁煙後6~8週以降に開始するのがよいでしょう。ただ、もともと糖尿病を患っていらっしゃる方やお薬を使って早い時期から禁煙が安定していらっしゃる方の場合は、禁煙初期から運動も加えた体重コントロールを行ないましょう。

2. 体重への意識を変える

喫煙者は喫煙により毎日毒素の入った生活をしているため、本来の自分よりもやつれてしまい体重が減少します。体重増加に対して「元の自分に戻った」「健康的になった」と考えるようにしましょう。禁煙することで得る生涯の健康は、体重増加とは比べ物にならないほど価値のあるものです。

3. それでも気になる場合には

どうしても体重が気になる場合は、以下の点に留意して体重コントロールを行ないましょう。

1. 1日1回体重測定を行ない記録しましょう

体重管理は体重を気にすることからはじまります。毎日体重測定をして、手帳につけることだけでも体重のコントロールは良好となります。また自分の体形を気にするという意味からも全身を映す鏡があれば毎日裸で自分の身体を映して体形をチェックしましょう。

2. 適度な運動を心がけましょう

毎日続けることのできる簡単な運動を考えましょう。例えば家事をしながらできるストレッチや通勤時の大股早足ウォーキングなど、日常生活に取りいれても支障のでない程度で毎日継続できる運動を実践しましょう。

3. 規則正しい食生活を心がけましょう

多くの食材を使うことを心がけて、脂っこいものを控えましょう。外食をする場合はできるだけ定食のように品目の多いものを。ハンバーガーショップでは、ポテトをサラダに変えるなどの工夫をしましょう。

4. 間食を工夫しましょう

禁煙すると口寂しくなり、それを補うために間食が増えます。干し昆布や梅干、タブレット菓子・キシリトールガムなどカロリーの低いものを選ぶようにしましょう。また飲み物は、お茶や水、砂糖の入っていないコーヒーなどを選んで、ジュース・アルコールは飲み過ぎないようにしましょう。

(最終確認日:2018年09月05日)

谷口 千枝

谷口 千枝 たにぐち ちえ

愛知医科大学看護学部 成人看護学(療養生活支援) 准教授

2004年国立病院機構名古屋医療センター禁煙外来勤務、13年椙山女学園大学看護学部、18年愛知医科大学看護学部成人看護学(療養生活支援)講師を経て、2020年より現職。