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禁煙を開始する方のご家族へ – 上手なサポートを教えます

「家族が禁煙を開始するけど、どうやってサポートしたらよいんだろう?」そんな不安を持つ家族の方も多くいらっしゃることでしょう。また禁煙の離脱症状でイライラして当たられたりしないか、気にしていらっしゃる方もいるかもしれません。そんな禁煙挑戦者のご家族に、上手に禁煙をサポートするためのコツをお教えします。

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禁煙を挑戦する方にとって、最も強力なサポーターはご家族です。禁煙する方は意志の強さとは関係なく、脳内の神経伝達物質の影響によって一時的にイライラしたり元気がなくなったりします。そんな状況の中で、ご家族がサポートするためのポイントをご紹介します。

1. 少しでもたばこを吸わないでいられたら、とにかく褒めてあげる。

褒めて損はありません。褒められれば褒められるほど、どんどん伸びます。禁煙継続の秘訣は「自信を持つこと」です。是非禁煙中のご家族の自信を強くしてあげてください。

2. たばこを吸いたくならないように環境を整備する。

禁煙中にたばこが身近にあるとついつい吸ってしまいがちです。たばこ・ライター・灰皿等の喫煙具は処分し、今まで吸っていた場所を掃除しましょう。捨てることが難しい場合は、ご家族が預かりましょう。

3. 禁煙に役立ちそうな小物(ガムや昆布など)を買ってくる。

吸いたい気持ちを抑えるときに多くの種類の小物があれば、つまらない禁煙でも選ぶ楽しさが増えます。買い物中は禁煙グッズを探す目線を忘れずに、どんなものなら吸いたい気持ちを抑えるときに役立つか、考えながら選びましょう。特に口寂しさを紛らわすための飲食物については、できるだけ口に残るもの・歯ごたえがあるもの・カロリーの低いもの等を選ぶとよいでしょう。

4. 時々ご褒美をあげる。

一緒に目標を設定し、「ここまで禁煙できたら○○」といった感じに約束することで、禁煙のやる気を育てましょう。高価なものをあげることだけでなく、お祝いをするといった気持ちを表すだけで、一つの目標達成となるでしょう。

5. 気分転換ができるよう、外に連れ出す。

禁煙中はイライラしたり元気がなくなったりすることがあります。できるだけ気分転換を促して、たばこのことを考えない環境を作りましょう。禁煙をきっかけに、夫婦仲良くお散歩をするといったような日課を作ってはいかがでしょうか。

6. できるだけ、声をかけてあげる。

禁煙を孤独な作業にせず、一緒にがんばっているというスタンスで、ご家族が一つのチームとなって禁煙を支えていきましょう。

7. 大目に見てあげる。

禁煙開始から2週間は、離脱症状(禁断症状)の強い時期です。イライラして当たられたり、眠くて集中できない場合もあります。そんなときは、「ニコチンの離脱でこのようにさせられている」と考え、できるだけ大目に見てあげるようにしましょう。禁煙経過が落ち着くにつれて、そういった症状も少なくなります。少しの我慢だと思って様子を見ましょう。

(最終確認日:2018年09月05日)

谷口 千枝

谷口 千枝 たにぐち ちえ

愛知医科大学看護学部 成人看護学(療養生活支援) 准教授

2004年国立病院機構名古屋医療センター禁煙外来勤務、13年椙山女学園大学看護学部、18年愛知医科大学看護学部成人看護学(療養生活支援)講師を経て、2020年より現職。