つらいと思われがちの禁煙も禁煙補助薬を用いることで、禁煙後の離脱症状が緩和され、比較的楽に禁煙することができるようになります。日本では禁煙治療に健康保険が適用されており、貼り薬のニコチンパッチと飲み薬のバレニクリンが使えます。また一般医療用医薬品としてニコチンガムとニコチンパッチが薬局・薬店で市販されています。
日本では2006年から禁煙治療に健康保険が使えるようになりました。保険診療で使える禁煙補助薬として、貼り薬のニコチンパッチと飲み薬のバレニクリンがあります。これらの薬剤はいずれもニコチン離脱症状を和らげることで禁煙しやすくなります。また、バレニクリンはタバコを吸った時の満足感を抑える作用もあります。加えて、一般医療用医薬品として、ニコチンガムとニコチンパッチが薬局・薬店において市販されています。
禁煙補助薬を利用すると、自力の禁煙に比べて3~4倍禁煙しやすくなるという海外の報告があります。日本の禁煙外来でも、禁煙補助薬が使用されることが多いですが、全国的な規模での治療成績の報告(2017年度調査)によると、12週間の禁煙治療を5回すべて受けた人では、約8割が治療終了時点で少なくとも4週間以上の禁煙に成功し、約5割が治療終了後9ヵ月間の継続禁煙に成功しています。
薬局・薬店で一般医薬品のニコチンパッチやニコチンガムを購入して禁煙するという選択肢もありますが、ニコチンパッチの場合、医療用医薬品のニコチンパッチと比べて用量が少なく、喫煙本数が多い人ではニコチンの補充が不十分となる可能性があります。またニコチンパッチよりも禁煙成功率が1.5倍高くなる飲み薬のバレニクリンは医療機関での処方が必要です。
以下のそれぞれの禁煙補助薬について解説します。
薬局・薬店で購入できます。
ニコチンガムは口腔粘膜からニコチンを吸収させるタイプのニコチン製剤です。
噛み方
医療用医薬品(3種類)
一般医薬品(2種類)
薬局・薬店で購入できます。
禁煙外来でも処方されます。禁煙外来の場合は、薬局では販売されていない大きいサイズを処方してもらうこともできます。
ニコチンパッチは、身体に貼り皮膚からニコチンを吸収するタイプのニコチン製剤です。
貼り方
※かゆみなどが出た場合は、薬剤師・医師に相談しましょう。
禁煙外来で処方されます。
脳の中のニコチン受容体に作用する、ニコチンを含まないタイプの禁煙補助薬です。
離脱症状を緩和するだけでなく、喫煙による満足感を抑制する作用があります。
飲み方
(最終更新日:2021年8月24日)