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禁煙開始からまだ間もない方へ《実行期編》

禁煙を決意し禁煙に踏み切れた方に向けて、禁煙継続の秘訣を紹介します。一度禁煙を経験された方にはよくおわかりでしょうが、踏み切ることができても継続が難しいのが禁煙です。再喫煙のリスクを想定して対策を立てるようにしましょう。

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1. 禁煙を開始できた自分を褒めてあげましょう!

自分を褒めてあげることは、禁煙の自信向上につながります。禁煙継続の最も大きな鍵は、禁煙継続への自信を高めることにあります。1日でも禁煙できたら「自分ってすごい!1日中禁煙できている!」と褒めてあげましょう。また禁煙することで浮いたたばこ代で禁煙3か月・6か月という節目にご褒美を買ったりすることもよいことです。どんなご褒美にするか考えながら過ごすと、吸いたい気持ちが吹き飛んでしまうかもしれません。

2. よかったこと探しをしよう!

禁煙開始後20分から身体的な禁煙の効果は出現します。例えば血圧や脈拍が正常に戻ったり、手足の血のめぐりがよくなったりします。また継続して禁煙していくことで、呼吸がラクになったり味覚が戻ってきたりします。詳しい禁煙の効果については下記をご参照ください。

禁煙の効果[1][2]
禁煙後20分 血圧や脈拍が正常化する
12時間 血液中の一酸化炭素が正常になる
2-3週間 心機能が改善する / 肺機能が回復する
1-9ヶ月 咳・息切れ・疲れやすさが改善される
1年 上昇していた冠動脈疾患のリスクが半減する
5年 脳卒中のリスクが非喫煙者と同じレベルになる
10年 肺がん死亡率が喫煙者の半分になる
口腔・喉頭・食道・膵臓・膀胱・子宮頸がんになるリスクが低下する
15年 冠動脈疾患のリスクが非喫煙者と同じレベルになる

禁煙することで、身体だけでなく他にも様々なよいことがでてきます。例えば毎日毎日使っていたたばこ代。500円のたばこを一日一箱吸うと、1年間に18万2500円も使うことになります。たばこをやめることで一体どんなものが買えるでしょうか。またたばこを吸う場所を探したり、周囲の非喫煙者への気遣いも必要なくなります。よかったこと探しをして「禁煙が楽しい!」と思えるようになったら継続もラクにできることでしょう。

3. たばこのイメージを塗り替えましょう。

たばこに対して良いイメージを持っていると、それだけ再喫煙の危険性は高まります。たばこに対してできるだけ悪いイメージを持ったり、禁煙することに良いイメージを持つようにしましょう。例えば、たばこを吸うことで黒くなっていく肺を想像したり、たばこをやめて健康的になっていく自分をイメージしたりしましょう。

4. 1本の誘惑に負けないようにしましょう。

禁煙を継続していくと、ふと「1本くらいいいんじゃない?」という気持ちが出てくることがあります。たばこは1本吸うと、その1本が次の1本を呼ぶようにできています。せっかくのがんばりも「たった1本」で台無しになってしまうことが多く、ちょっとした気の緩みで元の喫煙者に戻ってしまいます。「1本だけ」の誘惑に負けないで、今までのがんばりを思い出しましょう。

(最終更新日:2018年10月03日)

谷口 千枝

谷口 千枝 たにぐち ちえ

愛知医科大学看護学部 成人看護学(療養生活支援) 准教授

2004年国立病院機構名古屋医療センター禁煙外来勤務、13年椙山女学園大学看護学部、18年愛知医科大学看護学部成人看護学(療養生活支援)講師を経て、2020年より現職。

参考文献

  1. イギリスタバコ白書 「Smoking Kills」
    1998.
  2. IARCがん予防ハンドブック 11巻
    2007.