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中村 正和

「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」資料

2016年、厚生労働省における検討会を経て「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」、いわゆる「新版 たばこ白書」が取りまとめられました。

「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」の概要

2016年に厚生労働省「喫煙の健康影響に関する検討会」にて取りまとめられた「喫煙の健康影響に関する検討会報告書」の概要について、わかりやすくお知らせします。

禁煙の効果

長年タバコを吸っていても、禁煙するのに遅すぎることはありません。また禁煙は病気の有無を問わず健康改善効果が期待できるので、病気を持った方が禁煙することも大切です。つまり病気の予防だけでなく一病息災においてもまず取り組むべき課題です。

禁煙補助薬バレニクリンの使い方

つらいと思われがちな禁煙を手助けしてくれる飲み薬のバレニクリンの正しい使い方を紹介します。

禁煙のおくすりってどんなもの?

つらいと思われがちの禁煙も禁煙補助薬を用いることで、禁煙後の離脱症状が緩和され、禁煙を比較的楽に確実にすることが可能です。日本では健康保険による禁煙治療において、貼り薬のニコチンパッチと飲み薬のバレニクリンが使えます。また一般医療用医薬品としてニコチンガムとニコチンパッチが薬局・薬店にて市販されています。

たばことストレス

喫煙者が喫煙のメリットとして感じるストレス軽減効果は、あくまでニコチン切れによる離脱症状の緩和にすぎず、むしろ禁煙によって離脱症状から解放され、ストレスが低下して精神的健康度も改善することがわかっています。禁煙中のストレスを緩和するためには、禁煙補助薬を使うことのほか、ストレスマネジメントの方法を学んで実践することが大切です。

PM2.5と受動喫煙

PM2.5とは、大気中に浮遊する粒の大きさが2.5µm以下の微小粒子状物質のことを指します。たばこの煙も典型的なPM2.5です。PM2.5は非常に小さな粒子であるため肺の奥深くまで入り込みやすく、肺をはじめ全身の炎症を引き起こし、呼吸器・循環器疾患による死亡率が上昇します。
日本では大気の汚染は改善されつつありますが、屋内の喫煙規制が国際的に遅れているため、たばこ煙による屋内の空気汚染が問題となっています。屋内の空気汚染を改善するために、職場や公共空間での喫煙規制の法的な強化が必要です。

たばこの煙と受動喫煙

たばこの煙には、喫煙者が吸う「主流煙」、喫煙者が吐き出した「呼出煙」、たばこから立ち上る「副流煙」があり、受動喫煙では呼出煙と副流煙が混ざった煙を吸わされていることになります。煙に含まれる発がん性物質などの有害成分は、主流煙より副流煙に多く含まれるものがあり、マナーという考え方だけでは解決できない健康問題です。

進んでいる世界の受動喫煙対策

世界では「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」に示されているように、受動喫煙の健康被害は明白なものとして、分煙ではなく全面禁煙化がすすんでいます。

わが国のたばこ規制・対策の現状

日本において、2000年からの健康日本21(第1次)以降、さまざまなたばこ規制・対策が実施されています。しかし、2005年に発効したWHO「たばこ規制枠組条約」において求められている内容と比較すると、まだ十分でない点が多く、WHOの政策パッケージMPOWERでは、日本は受動喫煙対策を含めた3項目で「最低レベル」と評価されています。今後のさらなる取り組みが必要です。

たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(たばこ規制枠組条約)

20世紀末から新たな保健上の課題に対して地球規模での対応が求められるようになり、WHOは当初から検討を進めていた「たばこ規制枠組条約」を策定し、2005年2月27日に発効しました。

喫煙と糖尿病

たばこを吸うとは交感神経を刺激して血糖を上昇させるだけでなく、体内のインスリンの働きを妨げる作用があります。そのため糖尿病にかかりやすくなります。また糖尿病にかかった人がたばこを吸い続けると、治療の妨げとなるほか、脳梗塞や心筋梗塞・糖尿病性腎症などの合併症のリスクが高まることがわかっています。