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ニコチン依存症(にこちんいぞんしょう)

血中のニコチン濃度がある一定以下になると不快感を覚え、喫煙を繰り返してしまう疾患。

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たばこを吸うと肺からニコチンが取り込まれ、ニコチンは急速に脳内の腹側被蓋野にあるα4β2ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に結合します。ニコチンが受容体に結合することで、側坐核から大量のドーパミンが放出されます。ドーパミンは快楽に関わる脳内神経伝達物質であり、そのドーパミンの大量放出により強い快感が得られます。

ニコチン依存症のメカニズム

ニコチン依存症のメカニズム

ニコチンはドーパミンだけでなく、ノルエピネフリン(覚醒、食欲抑制)、セロトニン(気分の調整、食欲抑制)、アセチルコリン(覚醒、認知作業の向上)などの神経伝達物質の分泌にも関わっています。喫煙してニコチンを常時摂取するようになると、これらの神経伝達物質の調節をニコチンに委ねてしまい、自分で分泌する能力が低下します。そのため、禁煙したり、たばこを吸えない状態が続くと神経伝達物質の分泌が低下し、さまざまなニコチン離脱症状が出現することになります。

たばこが吸えない状態が続いたときに喫煙することによって、離脱症状という不快な症状が消失するため、再び喫煙を続けてしまう現象(負の強化)が起こります。その強化の結果、喫煙を繰り返してしまうのがニコチン依存症の特徴です。

(最終更新日:2019年6月18日)

中村 正和

中村 正和 なかむら まさかず

公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター センター長

1980年自治医科大学卒業。労働衛生コンサルタント、日本公衆衛生学会認定専門家、厚生科学審議会専門委員、日本学術会議連携会員。専門は予防医学、健康教育、公衆衛生学。研究テーマはたばこ対策とNCD(生活習慣病)対策。厚労科研研究班代表者として、たばこ政策研究に従事。研究成果をもとに禁煙治療の保険適用、たばこ価格政策、健康日本21における喫煙の数値目標の設定、特定健診における禁煙支援の強化等の政策実現に貢献。