喫煙によって、病気による休業、手術の際の創傷部位の治癒の遅れや術後の呼吸器合併症の増加、骨粗鬆症や大腿部頚部骨折の増加、消化性潰瘍、歯周病、白内障や失明の原因となる加齢性黄斑変性を引き起こすもとにもなります。
喫煙によって、全般的な健康状態の低下や喫煙関連の病気にかかり、休業する原因ともなります。会社にとっては喫煙者を雇用することで、勤務時間中の喫煙や休業により、労働生産性の低下につながることが明らかになっています。
また喫煙していると、外科手術を受けた際に創傷部位の感染や壊死、表皮の剥離などによって治癒が遅れたり、術後の呼吸器合併症が増加します。
喫煙は骨密度の低下を進めるため、骨粗鬆症や骨折にも関係しています。特に閉経後の女性において、その関係は十分な科学的な証拠があります。高齢男性についてもその可能性が指摘されています。また、骨粗鬆症などを介して大腿骨頚部骨折などの骨折を引き起こすもとにもなります。
喫煙は歯周病の原因にもなります。また歯の変色・根面う蝕・歯の喪失にも関係しています。
眼に対する影響としては、白内障の原因となるほか、高齢者では失明の原因として重要な加齢性の黄斑変性を引き起こします。
さらに喫煙すると消化性潰瘍にかかりやすくなりますが、特にヘリコバクターピロリ陽性の人では確実にその影響が認められています。
男性においては、勃起障害のほか、精子の変形や運動性の低下・数の減少、不妊を引き起こす可能性が指摘されています。
そのほかにも免疫機能を低下させ、感染に対する抵抗力を低下させるため、インフルエンザや肺炎などの感染症にかかりやすく、重症化しやすいことが報告されています。
(最終確認日:2020年9月17日)