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う蝕(うしょく)

う蝕=むし歯。歯の硬組織の表面が細菌の酸産生により崩壊され、エナメル質やセメント質から象牙質へと進行し、実質欠損を形成する代表的な歯の疾患。

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う蝕の発生には以下の大きな3つの因子が関係します。

  1. 細菌叢(微生物):S.ミュータンスなどに代表されるう蝕病原菌の数
  2. 食事性基質:糖分の摂取法、粘着性食品(キャラメルやチョコレートなど)の摂取頻度、間食の回数など
    ※食事に含まれる糖分量より間食時の糖分摂取が問題になると言われています。
  3. 宿主および歯:歯質、歯並び、唾液、健康状態、生活習慣など

これらの多因子がすべて悪化したようなときに発症するもので、そう簡単には発症しません。例えば、定期的な歯磨きを実施している、間食は時間を決めている、規則的な生活を送っている、など通常の生活では頻回に罹患することはありません。しかし、歯並びが悪い、唾液が出ない、細菌数が多い、食事が偏食、間食が多い、歯を磨かない、不規則な生活、病気に罹っている、疲れている、などという人はう蝕に罹りやすいと言えます。

アルコール依存症者の平均う蝕保有歯数は6歯で、健常者と比較して3倍と非常に高くなっています。アルコールが直接歯を溶かすことはありませんが、嘔吐による胃酸の影響、口腔衛生の不足による不潔、唾液分泌の低下による口腔環境の悪化などによる影響が大きく、う蝕が発症しやすくなると考えられます。