う蝕=むし歯。歯の硬組織の表面が細菌の酸産生により崩壊され、エナメル質やセメント質から象牙質へと進行し、実質欠損を形成する代表的な歯の疾患。
う蝕の発生には以下の大きな3つの因子が関係します。
これらの多因子がすべて悪化したようなときに発症するもので、そう簡単には発症しません。例えば、定期的な歯磨きを実施している、間食は時間を決めている、規則的な生活を送っている、など通常の生活では頻回に罹患することはありません。しかし、歯並びが悪い、唾液が出ない、細菌数が多い、食事が偏食、間食が多い、歯を磨かない、不規則な生活、病気に罹っている、疲れている、などという人はう蝕に罹りやすいと言えます。
アルコール依存症者の平均う蝕保有歯数は6歯で、健常者と比較して3倍と非常に高くなっています。アルコールが直接歯を溶かすことはありませんが、嘔吐による胃酸の影響、口腔衛生の不足による不潔、唾液分泌の低下による口腔環境の悪化などによる影響が大きく、う蝕が発症しやすくなると考えられます。