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歯の治療の流れ

歯科の治療は、主に「1. (う蝕症、むし歯)に対する治療」「2. 歯の周囲の組織の炎症(歯肉炎・歯周炎)に対する治療」「3. 喪失した歯を補う治療(補てつ)」に分かれます。

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平成23年度患者調査【図1】によりますと、14歳以下の患者さんでは、う蝕と歯髄炎(う蝕が進行したもの)の治療で60%を超えます。45歳から74歳の患者さんでは、歯肉炎・歯周炎に対する治療が多く三分の一を占めています。また75歳以上の患者さんでは、歯の補てつの治療(義歯等)が4割以上を占めるようになります。

歯科疾患の内容別にみた歯科診療所来院患者の割合(年齢階級別)

歯科疾患の内容別にみた歯科診療所来院患者の割合(年齢階級別)

1. (う蝕症、むし歯)に対する治療

う蝕が歯の表面に限局している場合は、削らずに再石灰化を期待しますが、進行すると削ってつめたり、かぶせ物をする治療を行います。
さらにう蝕が歯髄(しずい)まで達して歯髄炎をおこすと、歯髄を除去する治療(抜髄(ばつずい))を行います。抜髄は「神経を抜く」と表現されることも多く、歯自体は残して神経だけを治療するのです。
歯髄が化膿した場合には、歯髄壊疽(えそ)をおこしたり、さらに歯根の先に炎症(化膿)が進行して、歯根膿瘍や歯根嚢胞ができる場合もあります。その際も歯髄の治療を行い、まだ歯を抜かずに治療ができる場合もあります。
さらにう蝕が進行し保存することが不可能になったら抜歯をすることになります。

2. 歯の周囲の組織の炎症(歯肉炎・歯周炎)に対する治療

歯肉炎や歯周炎は、歯そのものではなく歯を支える歯ぐきや歯槽骨に炎症性の変化が起こる病気です。歯みがきが充分でないと、歯垢(プラーク)が歯と歯ぐきの境目に繁殖します。プラークの中の細菌が産生する毒素によって、歯肉が腫れたり歯肉が歯の表面からはがれてきて、歯と歯肉の間にすきま(歯周ポケット)ができてきます。またプラークの中の細菌などは、唾液に含まれるカルシウムリン酸と結合して歯石となり、歯の表面に付着します。歯肉炎や軽度の歯周炎の場合は、ブラッシング指導を行い、歯石除去を行うだけでも改善が認められます。

しかし歯と歯ぐき(歯肉)のすきま(歯周ポケット)から侵入した細菌が、さらに歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまう場合があります。その場合には歯肉や歯槽骨に対する外科手術を行ったり、歯を動揺しにくいように固定する処置を行う場合もあります。改善が認められない場合は抜歯をすることになります。

3. 喪失した歯を補う治療(補てつ)

う蝕や歯周炎で歯を失ってしまった場合に、義歯を作り歯を補う治療(補てつ)を行います。義歯には取り外しが出来ないものと出来るものがあります。
取り外しが出来ないものは、歯と歯を橋渡しするようにつなぎますのでブリッジ【図2】と呼ばれます。取り外しが出来る義歯は、歯が少しでも残っている場合に、歯に金具をひっかけるタイプのものが多く作られます(部分床義歯【図3】)。歯や歯肉の部分はレジンという合成樹脂が使われることが多く、歯や歯肉の色に近いものが出来上がります。
全ての歯を失った場合は、総義歯【図4】を作成することになります。

喪失した歯を補う治療(補てつ)

鶴見大学 歯学部 探索歯学講座 野村 義明

北里大学 医学部 衛生学公衆衛生学 星 佳芳

参考文献

  1. 平成23年(2011年)患者調査(10月)1上巻第51表 歯科診療所の推計患者数, 年齢階級×性・歯科分類別.