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う蝕

う蝕=むし歯。歯の硬組織の表面が細菌の酸産生により崩壊され、エナメル質やセメント質から象牙質へと進行し、実質欠損を形成する代表的な歯の疾患。

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アルコールと歯科疾患

ほどほどの量のお酒が口腔機能に影響を与えることは少ないと思われます。しかしアルコールの過剰摂取を継続すると次第に身体機能が低下してきます。それに伴い口腔衛生の低下や唾液分泌の異常などが起こりやすくなります。その結果として口腔環境が悪化し歯科疾患に罹りやすくなり食機能の低下が懸念されます。

歯の喪失の原因

歯を失う二大原因はむし歯と歯周病です。一般的に歯は奥歯から失われる傾向にあり、比較的若いうちはむし歯で失われる場合が多いのですが、残った歯が少なくなるにつれて歯周病で失われる歯が多くなります。喪失に至るリスクの高い歯は、未処置歯のむし歯・クラウン(冠)装着されている歯・部分義歯の針金がかかる歯(鈎(こう)歯)・歯周疾患が進行している歯などです。

歯の神経の治療(根管治療)

歯の中には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経や血管を含む組織があります。むし歯や外傷によって歯髄が感染したり壊死(えし)したりしてしまうと、歯髄を取り除く根管治療が必要になります。さらに一度根管治療を行ったにもかかわらず、再び根管が感染してしまったり感染が残っていたりする場合は、再根管治療が必要となります。

卒乳時期とむし歯の関係

乳幼児期における哺乳びんによる不適切な飲料の与え方、あるいは卒乳時期を逃した授乳、とくに夜間の授乳は、特有のむし歯の症状を引き起こすことがあります。乳歯が生え始め、離乳食が始まったら、哺乳びんを使って甘味飲料を与えることを避けるとともに、寝ながらの授乳は控えるようにしましょう。乳幼児期のむし歯の発症には多くの要因が関わっているため、卒乳に関する適切な対応とフッ化物の応用などを含むむし歯予防の実践が求められます。

う蝕の原因とならない代用甘味料の利用法

スクロース(砂糖)などの発酵性糖質に替わってう蝕の原因にならない代用甘味料を上手に利用することが、う蝕予防にとって重要です。いろいろな代用甘味料が開発されており、内閣府消費者庁が許可している特定保健用食品(トクホ)や国際トゥースフレンドリー協会認定食品に利用されています。う蝕予防のため、特に食間にはこれらの食品を活用し、メリハリのある食習慣をつけることが肝要です。

甘味(砂糖)の適正摂取方法

砂糖はむし歯のリスク・ファクターのひとつであり、摂取方法によってむし歯の発症に影響を与えます。むし歯予防には、甘味(砂糖)摂取の総量を減らすこと、およびその摂取回数を減らすことは効果的です。ただし、砂糖摂取を制限するだけでは、むし歯予防対策として不十分なため、フッ化物配合歯磨剤の利用など併せて取り組むことが大切です。また砂糖の過剰摂取は、肥満にもつながることから、生活習慣病予防対策の一環として取り組むことも効果的です。

シーラント(予防法)

シーラントは、奥歯の溝を物理的に封鎖したりシーラント材の中に含まれるフッ化物により再石灰化作用を促進するむし歯予防法です。4年以上で約60%のむし歯予防効果が認められ、特にフッ化物応用との併用によってむし歯予防効果はさらに増加します。むし歯発症リスクの高い歯に行うと特に有効です。

むし歯の予防法(総論)

むし歯を作る要因は、歯の質・細菌(むし歯原因菌)・食物(砂糖)の3つにまとめることができます。それぞれの要因に対応する形でむし歯予防法は、フッ化物応用とシーラント・歯みがきの励行・糖分を含む食品の摂取頻度の制限にまとめることができます。これらの予防法が、家庭で・地域で・保健サービスの現場で、バランスよく組み合わされて行われることが必要です。

むし歯の治療の流れ

むし歯が歯の表層に限られる場合は、削らず再石灰化を期待します。むし歯が大きくなると歯を削り、詰め物やかぶせものをつける治療を行います。むし歯がさらに進行して歯髄(しずい)に達すると、歯髄を除去(抜髄[ばつずい])する必要があります。その場合の多くは土台をたててかぶせ物をする治療が必要になります。

大人のむし歯の特徴と有病状況

20歳以上の9割以上がむし歯の罹患経験を有しています。また、20歳以上の3割が未処置のむし歯を有しています。そして40歳以上の年齢において常に約4割はむし歯が原因で歯が抜かれています。大人のむし歯はその特徴から、歯の根面のむし歯・歯の詰め物の裏側のむし歯・子供と同様のむし歯に分けられます。成人期には歯周病対策だけでなく、むし歯への対策も重要です。

むし歯の特徴・原因・進行

むし歯は世界で最も多い疾患として知られており[1]、未治療のむし歯は日本でも多くの人に存在します。さらに近年は高齢者において、むし歯は増加しています[2]。むし歯は細菌が糖質をもとに作り出す酸が歯を溶かすことで生じます。唾液は酸を中性に近づけたり、溶けかけた歯を修復する役割を持ちます。多くのむし歯は歯の間や奥歯の溝から発生し、特に溝の細菌は歯磨きでは取り除けません。そのため歯磨きをしていればむし歯が防げるという常識は現在では正しくないことが分かっています。さらに生物医学的原因だけでなく、社会環境・生活環境の重要性が認識されつつあります。

歯の治療の流れ

歯科の治療は、主に「1. う蝕(むし歯)に対する治療」「2. 歯の周囲の組織の炎症(歯肉炎・歯周炎)に対する治療」「3. 喪失した歯を補う治療(補てつ)」に分かれます。