口腔(こうくう)には、食べる機能や、会話をしてコミュニケーションを取る機能などがあります。食べるためには、歯で食物を咬み、飲み込む(嚥下)という一連の動作が必要です。会話をする際、口は発音に関わるとともに、表情を作ります。また、きれいな歯や歯肉、整った歯並びは、美しさ(審美性)を保ちます。
口腔には、食べる機能(咀嚼[そしゃく])があり、食べることで、唾液と食物は混じり、味を感じることができます。また、口から声を発し、会話をして、ヒトはコミュニケーションを取ることができます。
歯で食物を咬み、飲み込む(嚥下)という一連の動作を咀嚼といいます。食物や飲み物は、口唇・舌・頬の協調的な動きにより口に入り、細かくされ、飲み込むことで消化管に運ばれます。時にストローなども口にくわえ、吸い込むこともあります。
口腔内で食物が紛砕されることで食物は嚥下しやすく、消化も容易になります。また、咬むことにより、成長期には、顎の骨や顎の周囲の筋肉の発育を刺激します。
味覚(みかく)は、動物の五感の一つで、ヒトの場合は、おもに舌上面の舌乳頭にある味蕾(みらい)で受容された味覚情報が脳に伝えられます。基本味として、甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の5つが位置づけられています。食物の美味しさを決定する要因には、味以外にも、臭い・歯触り・舌触り・温度・色・体調などがあります。基本味が他の要素(嗅覚・視覚・記憶など)で拡張され、感覚としての味は、風味(ふうみ、flavour)と呼ばれることが多く、また、その認識の過程を「味わう」と表現します。
唾液には、以下のような機能があります。
ヒトは、会話をすることによりコミュニケーションを取っています。言葉は、声と口元や顔の表情とともに発せられます(発語)。声は、声帯が振動し音が発せられ、歯・顎・骨・口唇・舌の形態や機能により作られます。母音は、呼気の通過が遮られることなく発音できるもので、声帯の振動によって起こります。子音は呼気の通過が口唇・舌・歯などで遮られたり、通路が狭められて発声する音です。それぞれの形態や機能に異常があると発音障害(構音障害)となります。
また、時には、口を使って歌を歌ったり、楽器を演奏したりします。そのような機能を使い他とのコミュニケーションをはかります。 また、清掃の行き届いたきれいな歯や歯肉、整った歯並びは、美しさ(審美性)に関わり、コミュニケーションの過程で重要な役割を果たします。
(最終更新日:2020年1月16日)