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加熱式たばこの健康影響

たばこ葉やその加工品を電気的に加熱し、発生させたニコチンを吸入するたばこ製品。紙巻たばこに比べて健康影響が少ないかどうかは、まだ明らかになっていない。

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たばこ葉やたばこ葉を加工したものを、燃焼させずに電気的に加熱し、エアロゾル(霧状)化したニコチンと加熱によって発生した化学物質を吸入するタイプのたばこ製品です。わが国では2013年12月から販売が開始され、2016年ごろから急速に普及してきました[1]

加熱式たばこは、喫煙者本人及び周囲への健康影響や臭いなどが紙巻たばこより少ないという期待から、使い始める人が多くいます。
化学成分を分析した結果からは、加熱式たばこの主流煙には、多くの種類の有害化学物質が含まれるものの、ニコチン以外の有害化学物質の量は少なかったと報告されています。しかし、販売開始からの年月が浅いため、長期使用に伴う健康影響は明らかになっていません。
また、量が少ないとしても、たばこ煙にさらされることについては安全なレベルというものがなく、喫煙者と受動喫煙者の健康に悪影響を及ぼす可能性が否定できないと考えられています。

なお、2020年4月に全面施行された改正健康増進法では、加熱式たばこは禁煙場所での使用が禁じられていますが、喫煙専用室での使用は可能です。また、経過措置として、加熱式たばこ専用喫煙室では飲食等をしながらの使用が可能とされています。

2020年の診療報酬改定において、加熱式たばこ使用者も健康保険による禁煙治療の対象として正式に認められました。加熱式たばこ使用者には、紙巻たばこを吸わずに単独で使用している場合であっても、それをゴールとするのではなく、最終的には加熱式たばこの使用を中止するよう、情報提供や支援を行う必要があります。
加熱式たばこ使用者への禁煙治療と禁煙支援の方法については、「禁煙治療のための標準手順書 第8版」ならびに「禁煙支援マニュアル(第二版)増補改訂版」を参照ください。

(最終更新日:2021年8月11日)

中村 正和

中村 正和 なかむら まさかず

公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター センター長

1980年自治医科大学卒業。労働衛生コンサルタント、日本公衆衛生学会認定専門家、厚生科学審議会専門委員、日本学術会議連携会員。専門は予防医学、健康教育、公衆衛生学。研究テーマはたばこ対策とNCD(生活習慣病)対策。厚労科研研究班代表者として、たばこ政策研究に従事。研究成果をもとに禁煙治療の保険適用、たばこ価格政策、健康日本21における喫煙の数値目標の設定、特定健診における禁煙支援の強化等の政策実現に貢献。

参考文献

  1. 中村正和, 田淵貴大, 尾崎米厚, 他.
    加熱式たばこ製品の使用実態、健康影響、たばこ規制への影響とそれを踏まえた政策提言.
    日本公衆衛生雑誌, 67(1): 3-14, 2020.
  2. 厚生労働省. 禁煙支援マニュアル(第二版)増補改訂版, 2018.
    https://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/kin-en-sien/manual2/addition.html
  3. 日本循環器学会,日本肺癌学会,日本癌学会,日本呼吸器学会:禁煙治療のための標準手順書.第8版,2021.
    http://j-circ.or.jp/kinen/anti_smoke_std/pdf/anti_smoke_std_rev8_.pdf