厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

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喫煙による健康影響

喫煙者本人の健康影響

喫煙はがんをはじめ、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、2型糖尿病、歯周病など、多くの病気と関係しており、予防できる最大の死亡原因であることがわかっています。
また、喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクを高めるだけでなく、総死亡率が高くなることもわかっています。

女性の喫煙・受動喫煙の状況と、妊娠出産などへの影響

女性の喫煙による妊娠出産への影響として、早産、低出生体重・胎児発育遅延などが挙げられます。また生殖能力低下、子宮外妊娠、常位胎盤早期剥離、前置胎盤を引き起こす可能性が指摘されています。さらに、妊娠中においては、妊婦本人の喫煙(能動喫煙)だけでなく受動喫煙であっても、乳幼児突然死症候群(SIDS: Sudden Infant Death Syndrome)の要因となることが確実視されています。

喫煙によるその他の健康影響

喫煙によって、病気による休業、手術の際の創傷部位の治癒の遅れや術後の呼吸器合併症の増加、骨粗鬆症や大腿部頚部骨折の増加、消化性潰瘍、歯周病、白内障や失明の原因となる加齢性黄斑変性を引き起こすもとにもなります。

受動喫煙 – 他人の喫煙の影響

喫煙者が吸っている煙だけではなくタバコから立ち昇る煙や喫煙者が吐き出す煙にも、ニコチンやタールはもちろん多くの有害物質が含まれています。本人は喫煙しなくても身の回りのたばこの煙を吸わされてしまうことを受動喫煙と言います。
受動喫煙との関連が「確実」と判定された肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群(SIDS)の4疾患について、超過死亡数を推定した結果[1]によると、わが国では年間約1万5千人が受動喫煙で死亡しており健康影響は深刻です。

若者の健康と喫煙

喫煙開始年齢が早いほど、健康被害が大きく、またニコチン依存も強くなります。このため、成人年齢が18歳に引き下げられても、法的に喫煙できる年齢は20歳が維持されています。また、健康への悪影響が大きい子どもや若者をたばこの煙から守るため、2020年に施行された改正健康増進法では、喫煙できる場所への20歳未満の者の立ち入りが禁止されるなどの対策が講じられました。

加熱式たばこの健康影響

たばこ葉やその加工品を電気的に加熱し、発生させたニコチンを吸入するたばこ製品。紙巻たばこに比べて健康影響が少ないかどうかは、まだ明らかになっていない。



開示すべきCOIはありません。