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喫煙の健康影響(概要)

喫煙によりほぼすべての臓器が害を受け、健康に影響を及ぼします。喫煙により引き起こされる疾病は増加しています。
禁煙により長期だけでなく即効性のメリットがあり、喫煙による病気のリスクが低下して健康状態も良くなります。
低タール・低ニコチンたばこには、明らかな健康へのメリットは認められていません。

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喫煙の健康影響については、近年アメリカの公衆衛生総監報告(SGR)をはじめとする総括報告の公表が続いています。こうした動きは前世紀半ばから始まっており、既に50年近い歴史があります。特にSGRは1964年の公表から40年以上経過し、2004年には喫煙の健康影響、2006年には受動喫煙の健康影響について数百ページ超の報告書を刊行しています。

ヒトでの観察を中心にした、いわゆる疫学研究の結果も日本を含む数多くの国から報告され、たばこを吸う人と吸わない人ひいては禁煙した人の健康影響のリスクの評価が報告されています。のみならず実験による研究でも、分子や細胞レベルで喫煙が病気を引き起こすメカニズムについての検討がさらに進められているところです。

過去のSGRのまとめ及び新たな研究結果のまとめを通じたSGRの2004年版の作成によって喫煙と健康影響については下記のように端的にまとめられています。

  1. 喫煙によって身体のほとんど全ての臓器が害を受けるので、たばこを吸う人では様々な病気にかかってしまうため、健康状態も悪くなりがちである。
  2. 禁煙することによって、長期にわたるメリットだけではなく即効性のメリットが得られる。喫煙によって引き起こされるいろいろな病気のリスクが低くなるため、健康状態も良くなる。
  3. 低タール・低ニコチン(機械での測定値によるもの)のたばこを吸うことによる、明らかな健康へのメリットは認められていない。
  4. 喫煙によって引き起こされる病気の一覧は研究成果が増えるにつれ増えているが、最近改めて確認されたものとして、腹部大動脈瘤・急性骨髄性白血病・白内障・子宮頚部がん・腎臓がん・膵(すい)臓がん・肺炎・歯周病・胃がんなどが含まれる。
「喫煙により引き起こされる」と判定された健康影響 (根拠が強いと考えられるもの)[1]
疾患名 発症部位および影響
がん 膀胱・子宮頸部・食道・腎臓・喉頭・白血病・肺・口腔・膵臓・胃
循環器疾患 腹部大動脈瘤動脈硬化・脳血管疾患・冠状動脈疾患
呼吸器疾患 慢性閉塞性肺疾患肺炎・子宮内での呼吸器への影響(肺機能)・小児/青年期の呼吸器への影響(肺機能・呼吸器症状・喘息の症状)・成人の呼吸器への影響(肺機能)・その他(呼吸器症状)
生殖器における疾患 胎児死亡・死産・生殖機能低下・低出生体重・妊娠の合併症
その他 白内障・健康状態の減弱/有病・大腿頚部骨折・低骨密度消化性潰瘍

今では、たばこを吸うことに健康影響があると知らない人はいないでしょうし、たばこのパッケージにもきちんと明記されています。しかしながらたばこを吸う人は、そうした健康影響の詳細を知らなかったり、まだずっと先の話だと思ったり、たいしたことがないと過小評価する傾向があることが知られています。また煙に囲まれた場所で過ごす時間が長かったり、若いうちに喫煙になじんでいたりすると、煙そのものに違和感を持たなかったりします。日本もかつては8割を超す男性が喫煙し、また家や職場など室内での喫煙が一般的であった時期があったことなどから、喫煙の規制についての反論が今でもしばしばあります。
そうした社会全体の変化の中で、いま改めてたばこ・喫煙について、まずは「知ること」が重要となってきています。

参考文献

  1. 米国公衆衛生総監報告書(2004年)
    CDC(Centers for Disease Control and Prevention) / 2004 Surgeon General's Report
    http://www.cdc.gov/tobacco/data_statistics/sgr/2004/