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電子たばこ(でんしたばこ)

香料などを含む溶液を電気的に加熱し、発生させたエアロゾル(蒸気)を吸入する製品。日本ではニコチンを含むものは現在販売されていないが、ニコチンの有無にかかわらず、健康影響には懸念があると考えられる。

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香料などを含んだリキッド(溶液)を加熱して、発生するエアロゾル(蒸気)を吸入する製品です。リキッドの主成分はプロピレングリコールやグリセリンなどのグリコール類で、食品添加物や医薬品などに使われているものですが、諸外国ではニコチンを含むものが流行しています。
わが国においては医薬品医療機器等法(薬機法)により、ニコチンを含むリキッドの販売には許可が必要です。ニコチンを含まない電子たばこは、たばこ事業法のたばこ製品として分類されないため、未成年を含む若年者も購入可能となっています。

海外においては、ニコチンを含む電子たばこについて、紙巻たばこよりも健康影響が少ないという意見や、ニコチン入りの電子たばこの使用により紙巻たばこを中止させる効果があるという研究データが発表されています。その一方、不適切な使用あるいは幼小児の誤飲などによる事故や、10代への流行などが問題視されており、対応が検討されているところです。

なお、ニコチンの有無にかかわらず、電子たばこによっては、健康に影響を及ぼす可能性のあるホルムアルデヒド、アセトアルデヒドといった発がん性物質などを発生するものがあると報告されています。因果関係の有無を推定する科学的根拠はまだ不十分ですが、使用者本人にも周囲にも健康影響が生じうると考えられます。

(最終更新日:2019年6月18日)

中村 正和

中村 正和 なかむら まさかず

公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター センター長

1980年自治医科大学卒業。労働衛生コンサルタント、日本公衆衛生学会認定専門家、厚生科学審議会専門委員。専門は予防医学、ヘルスプロモーション、公衆衛生学。研究テーマはたばこ対策とNCD(生活習慣病)対策。厚労科研研究班代表者(2007-21年度)として、たばこ政策研究に従事。研究成果をもとに禁煙治療の保険適用、たばこ価格政策、健康日本21における喫煙の数値目標の設定、特定健診における禁煙支援の強化等の政策実現に貢献。