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栄養成分表示の活用

栄養成分表示は、社会的背景により食生活を考える上でニーズが高くなっています。そのため国は1996年に栄養表示基準制度を創設しました。この制度は消費者が的確に表示を理解できるよう、表示する場合の栄養成分や熱量、その表示方法を定めています。表示方法には強調表示や特定の用途を含む成分を表示した特定保健用食品や栄養機能食品などがあります。

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食をめぐる環境の変化により、外食や加工食品の利用が大幅に増えています。国民健康・栄養調査によると、特に昼に外食をする人は3人に1人、男性では約50%を占めています。一方で現在の食習慣を改善したいと思っている人は2人に1人で、改善したい項目の第1位は「食品を選んだり、食事のバランスを整えるのに困らない知識や技術を身につける」です。また食習慣改善のために必要なことは「市販食品や外食メニューの栄養成分」と約7割の人が回答しています。このように栄養表示は日々の食生活を考える上でニーズが高くなっています。このような社会的背景を踏まえて、国によって1996年(平成8年5月24日施行)に栄養表示基準制度が創設されました。

その後、栄養表示を食品や飲食店等で見たことがある人は約4割、その場合に栄養成分表示を参考にする人の割合は「いつも参考にする」「時々参考にする」を合わせると約6割にもなっており、食物選択を行う上でも大きな役割を果たしています。

この制度は、販売する食品に邦文で栄養成分などの表示を行う場合、その成分や熱量だけでなく国民の栄養状況からみた重要な栄養成分についても表示を義務づけています。栄養成分表示をする場合、「1. 熱量」「2. たんぱく質」「3. 脂質」「4. 炭水化物」「5. ナトリウム」「6. 栄養表示された栄養成分」の順序で含有量を表示します。
また表示誤差については、栄養成分および熱量ごとに範囲が決められています。栄養成分・熱量などの強調表示を行う場合、補給できる旨の表示(「含む」「供給」「豊富」「高」などの表示)や、適切な摂取ができる旨の表示(「無」「ゼロ」「低」「ひかえめ」などの表示)をする場合には、成分が一定以上または以下の含有量であることと基準が定められています。例えば糖質の場合、食品100ml(100g)当たり0.5g以上含まれていなければ『糖質ゼロ』と表示することが可能になります。

さらに健康への関心の高まりの中で、特定の栄養成分を摂取することを目的にした錠剤、カプセルなどの形状の食品(いわゆる健康食品)が販売されるようになりました。そのため国は一定用件を満たす食品を「保健機能食品」とし、目的や機能の違いにより個別に許可が必要(個別許可型)な「特定保健用食品」と、規格基準に適応していれば許可不要(規格基準型)な「栄養機能食品」の制度を創設しました【図】。

保健機能食品の分類

保健機能食品の分類

「特定保健用食品」は、生理学的機能などに影響を与える保健機能成分(例えばフラクトオリゴ糖ビフィズス菌・大豆たんぱく質・キトサン・ポリフェノール・キシリトール・大豆イソフラボンなど)を含み、血圧や血中コレステロール・胃腸の調子などが気になる人が健康の維持増進などに資する食品で、「お腹の調子を整える食品です」「血圧が高めの方に適する食品です」など保健用途が表示されます。2005年2月以降には有効性に関する科学的根拠の許可基準が緩和され、「条件付き特定保健用食品」と「規格基準型特定保健用食品」「疾病リスク低減表示」が追加されました。
「条件付き」とは限定的な科学的根拠である旨の表示で認めるもの、「規格基準型」とは許可実績があり個別審査をおこなわなくても許可できるものです。「疾病リスク低減表示」は医学的・栄養学的に確立されている場合に表示かのうなもので、現時点ではカルシウムと葉酸が該当しています。

「栄養機能食品」は、通常の食生活を行うのが難しく1日に必要な栄養成分がとれない場合に、補給・補完のために利用する食品で、1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量の上限・下限値の規格基準があります。栄養機能食品表示の対象となる栄養成分は、現在ミネラル5種類・ビタミン12種類であり、規格基準に合っていれば許可申請や届出は不要で自主的責任のもと販売できます。

参考文献

  1. 健康・栄養情報研究会 編
    厚生労働省平成16年国民健康・栄養調査報告
    第一出版, 東京, pp.134, 2006.
  2. 健康・栄養情報研究会 編
    厚生労働省平成17年度国民健康・栄養調査報告
    第一出版, 東京, pp148,203,204, 2007.
  3. シリーズ監修 独立行政法人国立健康・栄養研究所
    公衆栄養学
    南江堂, 東京, pp67, 2007.
  4. 二見大介 編著
    ネオエスカ公衆栄養学
    pp122-123
  5. 食新発第0308001
    保健機能食品制度に関する質疑応答集について
    http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/03/tp0313-2.html