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コンビニエンスストアの活用

コンビニエンスストアは、年中無休で24時間営業の店が多く、小規模な店舗の中では、食料品や日用品を中心に2000~3000種類もの商品が扱われています。ライフスタイルが多様化する中、毎日の生活に欠かせない商品を必要な時にいつでも購入できるコンビニエンスストアは、日常生活の中で非常に身近な存在です。健康管理の上でも、上手な活用方法を考える必要があるでしょう。

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コンビニエンスストアとは

コンビニエンスストアは、経済産業省の商業統計における業態分類では「飲食料品を扱い、売り場面積30m2~250m2未満、営業時間が1日14時間以上のセルフサービス販売店」と定義されています[1]。一般に、年中無休で24時間営業の店が多く、小規模な店舗の中では2000~3000種類もの食料品や日用品が扱われています。商品はPOSシステム(商品の販売情報管理システム)によって管理され、各店舗にはその店に来る客層に合った売れ筋商品が置かれています。また、店舗立地が、他の食料品の小売店に比べ、住宅街やオフィス街に多いことも特徴です。近年では駅構内や学校、病院などの公共施設などへの出店もみられます。

ライフスタイルが多様化する中、自宅や勤務地の近くで、毎日の生活に欠かせない商品を必要な時にいつでも購入できるコンビニエンスストアは、普段の生活の中で非常に身近な存在です。

コンビニエンスストアの多様化

現在、コンビニエンスストアの店舗数は全国で5万店を突破しました。年間の商品販売額およびサービス売上高の合計は10兆円を上回り、さらに増加傾向を続けています。

近年、ライフスタイルの多様化を背景に、いろいろなタイプのコンビニエンスストアが登場しています。例えば、店舗内で調理した揚げ物や総菜を販売する店、それらを店舗内で食べることができる店、野菜や果物などの生鮮食品や医薬品を購入できる店、電話やインターネットで商品を注文すると配達してくれる店、健康や安心・安全をコンセプトとしている店などです。消費者は自分のニーズにあわせて利用することができます。

また、コンビニエンスストア各社は、他社との差別化を図るため、数多くのオリジナル商品を開発しています。特に食料品は、自社開発商品(プライベートブランド)が拡充し、今まで以上にたくさんの種類を購入できるようになりました。弁当・惣菜の中には、「低エネルギー」、「1日分の1/2の野菜がとれる」、「小さいサイズ」などといった健康に配慮した商品もみられます。さらに、一部のコンビニエンスストアでは、「健康な食事・食環境」認証制度において「スマートミール」の認証を受けた弁当を購入することができます。「スマートミール」とは、健康に資する要素を含む栄養バランスの取れた食事のことです。選択できる料理の種類が増え、食生活におけるコンビニエンスストアの活用の幅も広がっているといえるでしょう。

コンビニエンスストアの活用

少子高齢化の進行や、単身世帯や女性の社会進出に伴う共働き世帯の増加など、ライフスタイルが多様化する中、コンビニエンスストアには、食べたいものを必要な分だけ少量ずつでも購入できる、食事の準備や片付けの手間がかからず家事の負担を軽減できる、営業時間帯を気にせず24時間いつでも購入できるなどの利点があります。しかしその反面、利用の仕方によっては、食事の時間帯が一定せず、深夜に高エネルギーの食事を喫食してしまうなど、健康管理上の問題につながりやすいことが欠点です。

2018年度の農林水産省の調査によると、コンビニエンスストアを普段の食料品の購入先として、週1回以上使用すると回答した人の割合は43.1%でした。これは、食料品スーパーマーケット(96.5%)に次いで多い結果です[2]。コンビニエンスストアを日常的に利用する場合、健康管理に配慮し、食事時間や料理の選び方に気を付けることが大切です。

料理の選び方

弁当・惣菜の中には味の濃い料理や脂質を多く含んでいるものもあり、食欲や好みにまかせて食べていると、エネルギーや脂質、食塩摂取量の増加につながるため注意が必要です。脂質が多い唐揚げ・フライ・天ぷらなどの入った弁当が毎日続かないようにし、添え付けの醤油やソースなどは料理の味を確認してから使用すると良いでしょう。弁当・惣菜には栄養成分表示がされていますので、料理を選択する際の参考にできます。購入時には各商品の表示を見比べてから選ぶ習慣をつけましょう。

また、主食・主菜・副菜をそろえると、簡単に栄養素のバランスを整えることができます。唐揚げ弁当や焼肉弁当、うどんやパスタなど、野菜が少ない弁当や麺類を選ぶ場合には、副菜として、野菜を使用した惣菜(サラダ、煮物、和え物など)を1品追加するのがおすすめです。現在、たくさんの種類の惣菜が販売されていますので、それらを利用して「おにぎり(主食)」+「焼き魚(主菜)」+「お浸し(副菜)」など、いろいろな組み合わせを楽しむこともできます。

(最終更新日:2019年3月4日)

縄田 敬子

相模女子大学 栄養科学部 准教授

参考文献

  1. 経済産業省
    商業動態統計年報(平成29年)
    2017.
    http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/h29_1.html
  2. 農林水産省
    買い物と食事に関する意識・意向調査(平成30年度)
    2018.
    http://www.maff.go.jp/j/finding/mind/
  3. 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会
    コンビニエンスストア統計調査年間集計
    2017.
    http://www.jfa-fc.or.jp/particle/320.html