厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

e-ヘルスネット

食事バランスガイド(基本編)

「何を」「どれだけ」食べたらよいかをわかりやすくコマのイラストを用いて示したのが食事バランスガイドです。この食事バランスガイドでは毎日の食事を「主食」「副菜」「主菜」「牛乳」「乳製品」「果物」の5つの料理グループに区分し、区分ごとに「つ(SV)」という単位を用いて1日の目安が示されています。

twitterでシェアする

facebookでシェアする

食事バランスガイド

健康のために、何をどれだけ食べたらよいか目で見てわかるように示した栄養教育教材の総称をフードガイドといいます。フードガイドは世界各国で独自に策定されています。日本でも平成17年(2005年)6月に厚生労働省と農林水産省の合同でフードガイドが策定されました。それが「食事バランスガイド」【図】です。

食事バランスガイドは、「何を」「どれだけ」食べたらよいかを食べる時に食卓で目にする状態、すなわち主に「料理」で示されていることが最大の特徴です。日本の伝統的玩具であるコマの形を使って、1日に食べるとよい目安の多い順に上から「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」という5つの料理区分で示されています。主食はごはん・パン・麺などであり、副菜は野菜・いも・海藻・きのこを主材料とする料理、主菜は魚・肉・卵・大豆・大豆製品を主材料とする料理のことをいいます。
コマの形で示すことにより、食事のバランスが悪くなると倒れてしまうこと、コマは回転(=運動)することにより初めてバランスが確保できることから、食事と運動の両方が大切であるというメッセージが込められています。また水・お茶などの水分も1日の食事のなかで欠かせない身体の主要な構成要素という意味からコマの軸として、菓子・嗜好飲料は「楽しく適度に」というメッセージを添えてコマのヒモとして表現されています。

「何を」にあたる「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つの料理区分を、「どれだけ」食べたらよいかは「つ(SV)」という新しい単位で示されています。これは「1つ」「2つ」と指折り数えやすい「つ」と、1回あたりに提供される食事の標準的な量である「サービング(SV)」という単位が組み合わされたものです。

成人(厳密には高齢者を除いた身体活動レベルが「ふつう」以上の成人女性や身体活動レベルが低い成人男性)の場合、コマのイラストにあるように主食は5~7つ(SV)、副菜は5~6つ(SV)、主菜は3~5つ(SV)、牛乳・乳製品2つ(SV)、果物2つ(SV)が1日の目安になります(エネルギー必要量2200~2400kcalに相当)。
各料理区分の「つ(SV)」の量的な基準は、主材料の栄養素量や重量に基づいています。ただし【図】の料理例にあるように、主食であればごはん小盛(100g)、食パン1枚は「1つ(SV)」、ごはん中盛(150g)は「1.5こ(SV)」、麺類は「2つ(SV)」のように、原則として誰にでもわかりやすい量になるように決められています。野菜・いも・海藻・きのこを主材料とする副菜であれば、小鉢1個分が「1つ(SV)」となります。肉・魚・卵・大豆製品の料理である主菜は、卵であれば1個分使った料理が1つ(SV)、魚料理は標準的な1人前が2つ(SV)、肉料理は1人前が3つ(SV)となります。まずは大雑把にとらえて各料理区分の「つ(SV)」を覚えてもらい、1日の食事のバランスを振り返るためのツールとして日常生活に気軽に取り入れ活用してもらえることをねらっています。

なお「どれだけ」の目安は人によって異なり、対象の特性(性別・年齢)や身体活動レベルによって3段階に分けられています。各料理区分の詳細な説明などは、食事バランスガイドのホームページをご覧ください。

大久保 公美

女子栄養大学

武見 ゆかり

女子栄養大学

参考文献

  1. 厚生労働省, 農林水産省
    食事バランスガイド-フードガイド(仮称)検討会報告書
    第一出版, 2005.