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調味料の上手な使い方

私達の食生活の中での基本的な調味料は、しょうゆ・みそ・塩・砂糖・酢などです。それ以外にもさまざまな調味料が存在しています。現在、食塩の過剰摂取が生活習慣病予防の課題のひとつです。食塩摂取の約7割が調味料類からであり、塩分の含まれた調味料の使い方はもちろん、それ以外の調味料(酢・香辛料・だし(うま味)など)を上手に使うことが大切です。

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調味料とは

調味料は、料理や食品に味や香りをつけるだけではなく、食品の弾力・粘り・つや・保存性など、料理全体を通してのおいしさを左右する重要な食品です。調味料のもつ味は、味覚と密接な関係があります。特に砂糖・塩・酢などはそれぞれ、甘味・塩味・酸味といった基本の味と同じ味を持っています。調味料を上手に使うためには、それぞれの味の性質を知り使いこなしていくことが、味覚を満足させ料理をおいしく感じさせることになります。

調味料の種類

調味料は基本的なものとして、塩・砂糖・酢・しょうゆ・みそがあり、さらに、酒・トマトケチャップ・ウスターソース・マヨネーズ・ドレッシング類・各種たれ類・ルー類・油脂・香辛料・うま味調味料(化学調味料)なども含まれるため広範囲にわたります。

生活習慣病予防ための課題

生活習慣病の一次予防を目的とした食塩摂取の1日の目標量は、成人男性10g未満、成人女性8g未満とされています。しかし平成17年度国民健康・栄養調査の結果では、成人の1日当たりの食塩摂取量の平均値は11.5g(男性12.4g/女性10.7g)であり、成人男子の約60%以上、成人女子の約70%以上の人が食塩を目標量以上に摂取していました。この様に食塩の過剰摂取は生活習慣病予防の課題のひとつとなっています。

調味料に含まれる塩分

私たちの毎日の食事の中で食塩は調味料からの摂取が全体の約7割を占めています。これは単に「塩」として単独に使用する量だけでなく、みそ・しょうゆなどあらゆる調味料に含まれている塩分を食塩に換算して評価しています。毎日の食事で食塩の過剰摂取を防ぐためには、食塩だけに注目するのではなく、塩分が多く含まれている調味料を知り、まずはかけ過ぎ・つけ過ぎなどの使い過ぎに注意しましょう。

調味料の食塩相当量(1)
調味料 小さじ1(5ml) 大さじ1(15ml)
食塩 5.9g 17.8g
しょうゆ 0.9g 2.6g
みそ 0.7g 2.2g
ドレッシングタイプ
和風調味料
0.4g 1.1g
トマトケチャップ 0.2g 0.5g
マヨネーズ 0.1g 0.2g
バター(有塩) 0.1g 0.2g

調味料の上手な使い方

塩分過剰を防ぐためには、食塩の量をただ減らせばよいというわけではありません。
食塩を無理に控えると、料理がおいしくない・食欲が出ない・食事が楽しくないなど、食生活に悪影響が生じる可能性があります。料理を作るときに塩分の使い方を控えた分、塩分を含まない調味料の酢などの酸味や香辛料などの香味や辛味、天然だしのうま味などを利用し組み合わせることで、味の相乗効果が生まれて美味しく食べることができます。注意点として手軽に利用できる顆粒のだし類・各種たれ類やルー類には塩分が含まれていますので、その分を加味して味付けを行うことも必要です。

調味料の食塩相当量(2)
調味料 食塩相当量
固形コンソメ(1個) 2.3g
顆粒ガラスープ(小さじ1) 1.3g
和風だしの素(小さじ1) 1.3g
オイスターソース(小さじ1) 2.1g
カレールー(20g) 2g

調味料を上手に使うためには、料理を作るときには目分量ではなく、きちんと計量して使いましょう。また出来上がった料理にしょうゆやソース・ドレッシングなどを使うときには、皿の底に残るほどかけ過ぎないことや、料理に直接にかけず小皿等に調味料をとりわけてつけながら食べるなどの工夫も必要です。

佐藤 理恵子 さとう りえこ

女子栄養大学 栄養学部 専任講師、管理栄養士、健康運動指導士

参考文献

  1. 河合友美 編
    調味料
    新・食品事典7, 真珠書院, 1991.
  2. 文部科学省 科学技術・学術審議会資源調査分科会 編
    五訂増補日本食品標準成分表
    独立行政法人 国立印刷局
  3. 厚生労働省
    平成17年国民健康・栄養調査結果の概要
    http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/05/dl/h0516-3c.pdf