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外食の選び方

外食とは、食堂やレストランなどの飲食店やファストフード店・喫茶店・居酒屋・事業所給食等での食事を指します。外食の利用は、特に単身者や20~30代の男性で多い傾向にあります。外食店を日常的に利用する場合、健康管理のためにも、料理を上手に選ぶことが大切です。

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外食とは

外食とは、食堂やレストランなどの飲食店やファストフード店の店内での食事、喫茶店・居酒屋・事業所給食などでの食事のことを指します。

外食の利用は、単身世帯が他の世帯よりも多い傾向にあります。また、「平成27年国民健康・栄養調査」によると、週1回以上外食を利用している人の割合は、男性で約40%、女性で約25%と、男性の方が多い傾向にあります。特に若い世代で多く、20~30歳代男性で週1回以上外食を利用している人は約60%です[1]。個々の生活背景の違いによって食生活も多様化し、外食は食生活に欠かせないものになっています。

外食の選び方

現在、生活習慣病は日本人の死亡者数の約6割を占めており、健康寿命の最大の阻害要因と考えられています。生活習慣病は不健全な生活の積み重ねによって引き起こされる疾患群であり、日常生活における適度な運動、バランスの取れた食生活、禁煙の実践により予防することができます。外食店を日常的に利用する場合、料理の選び方にも配慮が必要です。

生活習慣病の予防のためには、脂肪や食塩の多い食事を控え、主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事をとることが大切です。しかし、外食の利用頻度が高い人は、主食・主菜・副菜のそろう頻度が低い傾向にあります。料理を選ぶ際には、組み合わせに配慮し、主食・主菜に偏った食事にならないよう気を付けましょう。なお、副菜とは、約70g以上の野菜、きのこ、いも、海藻類などを使用した料理のことです。サイドメニューの中には、冷奴や温泉卵、鶏唐揚げなどが小鉢で提供されている場合もありますが、それらを副菜として選ばないよう気を付けてください。

また、外食店の中には、メニュー表やプライスカードに、料理に含まれる栄養成分を表示している店もあります。各料理のエネルギーや脂質、食塩量を見比べてから、料理を選ぶ習慣をつけましょう。

事業所給食

勤務先に社員食堂がある場合には、上手に利用しましょう。日替わりで利用者の好みにも配慮しながら健康を考えたメニューが提供されています。詳しい内容は「社員食堂の上手な活用法」の項を参照してください。

ファミリーレストラン

24時間営業の店舗もあり、価格も手ごろで気軽に利用できますが、豊富なメニューの中から、ついつい脂質や食塩の多い料理を選び、野菜も不足しがちです。最近はサイズの小さなメニューや、ヘルシーメニューも登場していますので、それらを組み合わせて上手に料理を選ぶと良いでしょう。またドリンクバーでは、炭酸飲料やジュース類などを飲みすぎないようにし、2杯目からは無糖のお茶類やコーヒーなどを利用するとエネルギーを抑えることができます。

ファストフード店

ハンバーガーや牛丼・回転すし・立ち食いそばなどは、「安い」「早い」「ボリュームあり」が魅力ですが、その反面、主食と主菜に偏った食事になりがちです。副菜として、サイドメニューにあるサラダや小鉢を一緒に食べると、メインメニュー単品ではとりきれなかった野菜類をとることができます。

また、すしや麺類は、食塩の摂取が多くなりがちです。回転すしは食べる皿数を決める、麺類の汁は全部飲まないなどの工夫をすると良いでしょう。

専門店

定番の和食、洋食、中華料理、イタリア料理などに加え、近年では様々なジャンルの料理や特徴をもつ専門店が増え、外食を選ぶ楽しみの1つとなっています。ランチでは、主食・主菜に偏らないよう、野菜のサラダや小鉢の付いたセットメニューを選びましょう。また、大人数で利用するときは、いろいろな種類の料理を注文し、主食・主菜・副菜がそろうように分け合うのもおすすめのひと工夫です。

居酒屋

近年、安くておいしい居酒屋も増えています。ついつい、肉・魚などの主菜料理や揚げ物を食べすぎることや、「飲み放題」でアルコール飲料やソフトドリンクを飲みすぎてしまうことはありませんか? おつまみには、刺身や唐揚げ・焼き鳥などといったメニューだけでなく、野菜の煮物やサラダなどを選ぶのがおすすめです。また、味付けの濃い料理がアルコール飲料の飲みすぎにもつながります。1回の食事で飲む量の上限を決めるなど、飲みすぎに注意するとともに、味の濃い料理ばかり選ばない、卓上調味料は料理の味をみてから使うなど、食塩のとりすぎに気を配ることも大切です。節度ある適度な飲酒を心がけましょう。

外食店の選び方

ファミリーレストランやファストフードなどのチェーン店では、料理に含まれる栄養成分をメニューやリーフレット、ホームページなどで知ることができる店が増えています。 また、2018年度から、新しく「健康な食事・食環境」認証制度が始まりました。認証を受けた店では、主食・主菜・副菜がそろった栄養バランスのとれた食事や、栄養情報が継続的に提供されています。

自治体によっては、地域の外食店に栄養成分表示をすすめ、低カロリー・低脂肪や塩分控えめのメニューを置く料理店を募集して「栄養成分表示の店」「健康づくり協力店」として登録する制度を作っている場合もあります。登録店舗は自治体のホームページ等で検索することができます。

勤務地や居住地の近隣の店でどんな取り組みが行われているか、ぜひ調べてみてください。店や自治体の発信する情報を上手に利用して、外食店を選びましょう。

(最終更新日:2019年3月4日)

縄田 敬子

相模女子大学 栄養科学部 准教授

参考文献

  1. 厚生労働省
    平成27年国民健康・栄養調査報告
    2015.
    https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h27-houkoku.html
  2. 厚生労働省
    日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会 報告書
    2014.
    https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000059931.html
  3. 厚生労働省
    健康づくりのための食環境整備に関する検討会報告書
    2004.
    https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/12/s1202-4.html