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ナトリウム(なとりうむ)

人体に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをする。主に食塩の形で摂取される。

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人体に必要なミネラルの一種で、主に食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取されています。

成人の体内では、ほとんどが細胞の外の体液(細胞外液)に含まれています。細胞外液の浸透圧を調節して、細胞外液量を保つなどの役割を持っています。

通常、健康な人では欠乏することはありません。摂りすぎるとむくみや口の渇きのほか、高血圧・胃がん・食道がんのリスクを高めることが報告されています。近年における日本人の成人1人1日当たりの摂取量は、食塩相当量として男性11g程度、女性9g程度であり、以前に比べ減少しています。しかし、世界的にみると、なお、高いレベルにあります。本来必要な1日当たりの摂取量は多くても2g程度ですが、塩味の好みは習慣的なもので個人差も大きく、つい摂りすぎてしまいがちです。カリウムを多く含む野菜や果物を一緒に摂ることで、ナトリウムの排泄を促進することができます。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、摂取量の減少を目指すものと位置づけられており、目標量(食塩相当量として)は、成人1人1日当たり男性7.5g未満、女性では6.5g未満と設定されています。なお、高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防のための食塩相当量の量は、男女とも6.0g/日未満とされています。

(最終更新日:2021年5月10日)

由田 克士

由田 克士 よした かつし

大阪公立大学大学院 生活科学研究科 食栄養学分野 教授

博士(医学)、博士(栄養学)、管理栄養士、健康運動指導士。金沢医科大学病院栄養部、ノートルダム清心女子大学人間生活学部講師・助教授、独立行政法人国立健康・栄養研究所健康・栄養調査研究部室長(厚生労働省健康局栄養技官併任)等を経て、2010年4月より大阪市立大学大学院 生活科学研究科 食・健康科学講座 教授、2022年4月より現職。地域・職域における栄養・食生活の改善、循環器疾患予防と栄養素摂取の関連、日本人の食事摂取基準の活用、食事評価法、出生時体重やその後の発達に関与する要因の検討などを研究テーマとしている。