エタノールを分解する酵素の一つ。遺伝的に酵素の働きが弱いひとは、飲酒で顔が赤くなりにくく、大量飲酒の翌日に酒臭い体質となり、アルコール依存症になりやすいことが知られている。
アセトアルデヒドを分解する主要な酵素。日本人には酵素の働きが弱いひとが多く、少量の飲酒でフラッシング反応を起こし飲酒量が抑制される。
血液中のアンジオテンシンを増加させて血圧を上昇させる物質。
ヘモグロビンにグルコースが非酵素的に結合した糖化蛋白質である糖化ヘモグロビンの1つ。
糖尿病の過去1~2カ月のコントロール状態の評価を行う上での重要な指標。
胆管に分布する酵素の一種。γ-GTPとも言われる。
飲酒量が多いときや胆道系疾患などで値が上昇する。
活性酸素の働きを抑える作用を持つビタミンのこと。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなど。
人体に必要なミネラルの一種で、リンやカルシウムとともに骨を形成するほか、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持つ。
エネルギー産生栄養素に比べ微量ではあるものの、人体の機能を正常に保つため必要な有機化合物。体内ではほとんど合成することができないため、食物から摂取する必要がある。
筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体構成成分、ホルモン・酵素・抗体などの体調節機能成分、豆・卵・肉・魚などの食品成分として存在する重要な栄養素。
食べ物の中に含まれ、人の消化酵素で消化することのできない物質。
整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目され、第6の栄養素といわれることもある。
低活性型および非活性型の2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)をもつ人(≒赤型体質)と、活性型ALDH2をもつ人(≒白型体質)とを簡単に弁別するテスト。
ビールコップ1杯程度の少量の飲酒で起きる、顔面紅潮・吐き気・動悸・眠気・頭痛などを指す。
2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱いひとに多くみられる。
赤型体質は造語で、少量の飲酒で顔の赤くなる体質を指す。
たんぱく質、脂質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつ。炭素と水素の化合物で、消化されてエネルギー源となる。
体内に摂取されたアルコールは、胃にあるうちはゆっくりと吸収され、小腸に入ると速やかに吸収されます。飲酒後の血中アルコール濃度は、食事の有無やアルコール飲料の種類と飲み方、体格や肝臓の大きさなどによって異なります。アルコールの代謝のほとんどは肝臓で行われ、その人の持つ酵素の遺伝子型や飲酒習慣が深く関わっています。
アルコール性と非アルコール性、2つの肝炎の組織像は類似しており、肝臓内の酸化ストレスなど共通の発症メカニズムが研究されています。両者とも進行すると肝硬変や肝臓がんに至ります。
世界保健機関(WHO)は、飲酒は頭頸部(口腔・咽頭・喉頭)がん・食道がん(扁平上皮がん)・肝臓がん・大腸がん・女性の乳がんの原因となると認定しています。アルコール飲料中のエタノールとその代謝産物のアセトアルデヒドの両者に発がん性があり、少量の飲酒で赤くなる体質の2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人では、アセトアルデヒドが食道と頭頸部のがんの原因となるとも結論づけています。
メタボリックシンドロームに関わる高血圧・脂質異常症・高血糖・内臓脂肪の蓄積・脂肪肝には、お酒の飲みすぎが関与している場合が多数見られます。厚生労働省の「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病のリスクの高い飲酒量として、男性1日平均40g以上、女性20g以上とし、そのような飲酒者を減らすことを目標としています。また一般的に、週に2日間程度の休肝日を入れることも推奨されます。
すい臓(膵臓)病には急性すい炎と慢性すい炎および慢性すい炎から起こる糖尿病があります。飲みすぎる人がすべてすい臓病になるわけではありませんが、すい臓病の原因としてアルコールの飲みすぎが多くなっています。特に慢性すい炎の状態ではお酒がやめられないアルコール依存症になっている場合が多く見られます。したがって常習飲酒者で慢性すい炎の診断を受けた場合は、断酒をするべくアルコール依存症治療の専門病院への受診をお勧めします。
アルコールの飲みすぎにより、いろいろな臓器に病気が起こりますが、なかでも肝臓病は最も高頻度で、かつ重篤にもなる病気です。アルコール性肝障害は一般的に飲酒量が多いほど、飲酒期間も長いほど進行しやすいのですが、若年の肝硬変や、女性の中には比較的少ない飲酒量で短期間に肝硬変になる人がいるなど、個人差や性差が大きい病気です。はじめに起こるのはアルコール性脂肪肝で、飲みすぎれば多くの人に発生します。一部の人はアルコール性肝炎になり、まれに重症化して死亡することもあります。わが国では、明らかなアルコール性肝炎の既往なしに肝臓が線維化して硬くなる肝線維症が多く、さらに飲み続けると肝硬変へと進行します。アルコール性肝障害の早期発見と、そうならないような飲み方が大切です。
プラークコントロールは歯ブラシによる歯みがきが基本ですが、電動歯ブラシや歯磨剤・洗口液を併用すると効果が上がると考えられます。またプラークの付着を防止する効果が期待できます。
フッ化物利用は、歯質のむし歯抵抗性(耐酸性の獲得・結晶性の向上・再石灰化の促進)を高めてむし歯を予防する方法です。全身応用(経口的に摂取されたフッ化物を歯の形成期にエナメル質に作用させる)と局所応用(フッ化物を直接歯面に作用させる)があります。有効性・安全性に関する証拠が確認されています。
食物繊維は小腸で消化・吸収されずに、大腸まで達する食品成分です。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、積極的に摂取することが勧められます。
血液中の脂質の濃度が基準の範囲にない状態を脂質異常症といいます。脂質異常症には、他の基礎疾患と関係のない「原発性脂質異常症」と、他の疾患(肥満、糖尿病、腎疾患、内分泌疾患、肝疾患など)や薬物使用に基づいて起こる「続発性脂質異常症」があります。
果物は水分・ビタミン・ミネラル・食物繊維を含みます。野菜と異なる点はブドウ糖や果糖の糖質を多く含むことです。果物を食べすぎると、糖質の過剰摂取により中性脂肪の増大や肥満をきたすおそれがあります。果物に含まれる栄養素と果糖の栄養について解説します。
持久的能力や筋力といった身体能力には、一部に遺伝的要因が関与していることが明らかとなっています。近年ではどのような遺伝子における違い(多型)が関与しているかが研究されており、今後遺伝子タイプによる種目の選択や、個人に適したトレーニング方法が提供できるようになるかもしれません。