飲酒して消化管から吸収されたアルコールが血中に移行した状態の濃度で、酔いの程度を決める。
アルコールを摂取するとわずかに口腔や食道の粘膜から吸収されるものの、胃で25%、残りの大部分が小腸で吸収されます。吸収されるとほぼ全量血中に入るため、摂取したアルコール量や濃度が血中アルコール濃度に影響することになります。
しかしそれだけでなく、身体的な条件も関係してきます。胃ではアルコール吸収速度は遅く、小腸では早いため、胃切除後ではアルコールが早期に小腸に達して吸収されることによって、血中濃度の上昇が速くなります。また胃内に食物があるような状況では吸収が遅くなります。
アルコールの中枢神経への作用は血中濃度によって決まるため、酔いの程度も血中濃度と相関します。血中濃度(%)が「0.02~0.04:爽快期」「0.05~0.10:ほろ酔い期」「0.11~0.15:酩酊初期」「0.16~0.30:酩酊極期」「0.31~0.40:泥酔期」「0.41~:昏睡期」というのが血中濃度と酔いの程度の目安です。
標準的には日本酒3合程度飲酒すると酩酊初期になり、まともに歩けなくなって嘔気や嘔吐も出現するとされます。またこの血中濃度(%)を5倍した数字がほぼ呼気中濃度(mg/L)となります。