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アルコール酩酊(あるこーるめいてい)

飲酒した後に生じる、種々の程度の急性の精神的および身体的中毒症状。

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アルコール酩酊とは、アルコールを飲用した後に、種々の程度の急性の精神的および身体的中毒症状が起こることをいいます。俗に言うと「酔っぱらう」ということです。ビンダー(Binder H)によるとアルコール酩酊は、単純酩酊と異常酩酊とに分類され、さらに異常酩酊は、複雑酩酊と病的酩酊とに分けられます。それぞれについて以下に簡単に解説します。

1.単純酩酊

飲酒量にほぼ比例して生じるふつうの酩酊で、アルコールの血中濃度に応じて以下のステージにわけられます。

  1. 爽快期(血中アルコール濃度20~40mg/dl)
    症状:陽気になる、皮膚が赤くなる
  2. ほろ酔い期(血中アルコール濃度50~100mg/dl)
    症状:ほろ酔い気分、手の動きが活発になる
  3. 酩酊初期(血中アルコール濃度110~150mg/dl)
    症状:気が大きくなる、立てばふらつく
  4. 酩酊極期(血中アルコール濃度160~300mg/dl)
    症状:何度も同じことをしゃべる、千鳥足
  5. 泥酔期(血中アルコール濃度310~400mg/dl)
    症状:意識がはっきりしない、立てない
  6. 昏睡期(血中アルコール濃度410mg/dl以上)
    症状:揺り起こしても起きない、呼吸抑制から死亡に至る

2.異常酩酊 / 複雑酩酊

一般に「酒癖がわるい」、「酒乱」などど呼ばれるものに相当し、飲酒によって起こる興奮が著しく、その強度と持続性が単純酩酊とは量的に異なるものをいいます。

3.異常酩酊 / 病的酩酊

強い意識障害を伴う「もうろう型病的酩酊」と、アルコールの離脱症状の一つとして起こる「せん妄型病的酩酊」に分けられ、普通では考えられないような異常な行動をとってしまうことが特徴で、司法の場でしばしば問題となっています。
複雑酩酊とは異なり、それほど飲んでいないにも関わらず強い酩酊が出現することもあるとされています。一方で本当に病的酩酊が存在するのかについては、専門家の間でも議論があります。

(最終更新日:2021年6月10日)