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ドライマウス(どらいまうす)

ストレスや薬の副作用などで口の中が乾燥する状態。他の疾患の一症状として現れることもある。
進行すると口の中がう蝕や痛みなどを引き起しやすい環境となる。

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口の中の唾液が少なくなり乾燥する状態で「口腔乾燥症」ともいいます。

唾液はさまざまな働きをもっており、食事時にはご飯やパンなどのでんぷん質を、唾液に含まれる酵素であるアミラーゼが分解して麦芽糖に変え、体内に吸収しやすい形にします。また歯についた食べ物のかすを洗い流したり、酸性になった口内を中性に戻すことで、歯のカルシウムが溶けるのを防ぎ、歯の表面を修復する再石灰化という作用もあります。殺菌作用や止血作用もあることがわかっています。

ドライマウスの方は唾液の分泌量が減って口の中が潤わずネバネバした感じになり、パンなどの乾いた食べ物が食べにくくなります。また進行すると唾液の清掃効果の低下から、プラーク(歯垢)がつきやすくなり、う蝕(むし歯)の原因となります。さらに舌のひび割れや痛み・口臭の悪化・摂食障害・味覚障害・発音障害などが現れることがあります。

ドライマウスは女性に多い症状といわれており、薬の副作用やストレス・緊張による交感神経の刺激で唾液の分泌量が少なくなることで起こります。シェーグレン症候群(自己免疫疾患)などほかの病気や年齢による唾液量の低下も原因となります。また口で呼吸することで唾液が蒸発してしまい乾燥を感じる場合もあります。

「リラックスする」「口での呼吸を減らす」などご家庭でできることもありますが、歯科で相談し、唾液分泌量検査をして、薬物療法や唾液腺のマッサージなど適切な治療をうけることも必要です。