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エタノールパッチテスト(えたのーるぱっちてすと)

低活性型および非活性型の2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)をもつ人(≒赤型体質)と、活性型ALDH2をもつ人(≒白型体質)とを簡単に弁別するテスト。

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もともとの方法は、70%のエタノールをガーゼにしみ込ませたパッチを上腕に7分間貼って、はがして10分後にその部分の皮膚の色を判定するというものです。皮膚が赤くなっていれば、赤型体質を有する人、赤くなっていなければ白型体質を有する人と判定します。この方法で90~95%の精度でALDH2のタイプを判定できます。

最近、貼付およびはがしてからの観察時間をともに5分に短縮する方法や、低活性型と非活性型を弁別する方法などが示唆されています。また、年齢や温度等の条件で影響を受けることも知られています。これらの点については成書を参考にしてください。

エタノールパッチテストは体質を視覚に訴えることができることから、飲酒教育などによく使われています。

(最終更新日:2024年12月17日)

松﨑 尊信

松﨑 尊信 まつざき たかのぶ

独立行政法人 国立病院機構 久里浜医療センター 精神科診療部長

2000年九州大学医学部卒。同年同精神科教室に入局、同附属病院にて臨床研修、2010年九州大学大学院にて博士号(医学)。2013年厚生労働省精神・障害保健課依存症対策専門官、2016年より久里浜医療センター勤務。2017~2022年厚生労働省健康課参与(併任)。
精神保健指定医、日本精神神経学会認定専門医、日本医師会認定産業医。

参考文献

  1. 樋口進. アルコール依存症関連検査 A) 身体面 エタノールパッチテスト. 臨床精神医学, 1996, 381-386.
  2. 樋口進. アルコールに関する疫学的, 社会的事項 エタノールパッチテストの意義. アルコール関連障害とアルコール依存症, 1997, 55: 582-587.