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歯周疾患の有病状況

日本人の歯周疾患は近年やや減少しており、他の国々に比べるとやや良好な状態を示しています。しかしながら日本人の高齢者は半数以上が歯周ポケットを有し、歯周病関連の自覚症状を訴える人の割合も多く、歯周病は大変高い有病状況を示しています。

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歯周疾患を測る指標には様々なものがありますが、ここでは世界で最も広範囲に用いられている地域歯周疾患指数(CPI: Community Periodontal Index)によって評価されたデータと、歯周疾患に関連する自覚症状の保有状況について解説します。

日本人の歯周疾患の実態(「8割が歯周病」とは?)

CPIで評価した日本人の歯周疾患の有病状態は【図1】に示すとおりとなっています。

CPIを用いた場合、歯周疾患の有病率は「歯周ポケットを有する人の割合」(図1では、浅いポケット+深いポケット)で示されます。この割合は年齢が上がるにつれて高くなる傾向にあります。前期高齢者で53%、後期高齢者で62%となります。

なお「国民の8割が歯周病」といった謳(うた)い文句を耳にすることがありますが、これは【図1】で示される「健全」以外の割合を指しており、診査した部位(歯)のすべてが「健全」と判定された場合のみを指しています。たとえば少しでも歯石がついている場合には、健全と評価されません。したがって「8割が歯周病」というのは、ウソではないものの、大げさな捉え方といえます。

歯周病は増えているのか?

歯周病に関して同一の診断基準で行われた2005年と2011年の全国調査(歯科疾患実態調査)を比較しますと、やや減少していることが見てとれます。

世界に比べると?

WHOではCPIに関する情報を各国から収集し、各調査における個人最大コードの割合の平均値が地区別に集約されています【図3】。この図における歯周ポケットを有する割合は4-6割程度であり、日本の状況は、世界の一般的な状況に比べると、比較的良好といえます。

歯周病の自覚症状は?

歯周病はよく「無自覚のまま進行する」と言われますが、歯周病に関連する自覚症状を感じている人は、決して少なくありません。【図4】は平成21年に行われた国民健康・栄養調査の結果で、歯周病に関連した自覚症状を有する人の割合を年齢階級別に示したものです。

比較的若い年齢層では歯磨き時などの出血の割合が高くなっていますが、年齢が高くなると「歯ぐきが下がって歯の根が出ている」「歯がグラグラする」など、進行した歯周病の自覚症状を示す割合が高くなっています。なお70歳以上の高齢者で割合が低いのは、歯のない人が増えるためです。

国立保健医療科学院 地域医療システム研究分野 統括研究官 安藤 雄一

参考文献

  1. 一般社団法人 日本口腔衛生学会 編
    平成23年歯科疾患実態調査報告
    口腔保健協会, 2013.
  2. 平成17年歯科疾患実態調査(厚労省ホームページ)
    http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-17.html
  3. Petersen PE et al.
    Bull World Health Organ.
    2005;83(9):661-9.
  4. 厚生労働省
    平成21年国民健康・栄養調査報告
    2009.
    http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h21-houkoku.html