体の中の脂質のバランスが崩れてしまうことを脂質異常症といいます。アルコールの過剰摂取は、トリグリセリド(中性脂肪)の増加につながり、高トリグリセリド血症を招いて急性すい炎のリスクを高めます。一方、いわゆる善玉コレステロールであるHDLコレステロールもアルコール摂取量の増加にともない増加しますが、過度のアルコール摂取は肥満や高血圧を引き起こすため、適量にとどめたほうがよいでしょう。
適切な飲酒による適量のアルコール摂取は、糖尿病の発生を予防する可能性があります。しかし度を越した過剰なアルコール摂取は高血糖を来たし、それは同時に脂質異常症や高血圧などと相まって脳血管障害・虚血性心疾患の危険因子となります。
健康診断などで、尿酸値が7.0mg/dLを超えている場合に高尿酸血症と判断されます。成人男性の20%が高尿酸血症であると言われています。高尿酸血症は痛風関節炎だけでなく、腎障害やメタボリックシンドローム、心血管障害とも関連があります。原因のひとつにアルコール摂取があるため、高尿酸血症を指摘されたときにはお酒との付き合い方を見直してみましょう。
開示すべきCOIはありません。