食習慣の乱れや食事の偏りを見直し、少しずつでも改めることによって、高血圧の予防や治療に結びつけることができます。決して難しいことばかりではありません。無理せずできることから気長に取り組んでみましょう。
高血圧といえばすぐに「減塩」と結びつく方も多いと思います。健康な日本人の成人男女が当面目標とすべき1日の食塩摂取量は各々7.5g未満と6.5g未満[1]とされていますが、最近の調査結果によるといずれも平均2g程度(濃口しょう油に換算すると小さじ2杯強に相当)上回っている状況です(図)。
また、高血圧や慢性腎臓病の方については、重症化予防のため1日6g未満とすることが推奨されています。
減塩すると食事が美味しくなくなると思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。酢や柑橘類の酸味・香辛料・香味野菜を上手に取り入れると美味しく減塩食を食べられます。また、めん類のスープやだしを全部飲んだり、味付けを確認しないままに卓上調味料を料理にかけたりすることを控えるだけでもかなりの効果が期待できます。
野菜や果物には血圧を下げる働きのあるカリウムという栄養素が多く含まれています。積極的に食べるよう心がけましょう。まず野菜料理は毎食1皿以上食べるようにしましょう。生のままで食べるよりも加熱すると「かさ」が小さくなり、容易にたくさん食べられるようになります。1日当たり小鉢で5-6杯を目標に食べましょう。また果物は1日当たりバナナ1本とオレンジ1個程度を目安に食べましょう。
なお、医療機関に受診している方は必ず担当の医師の指示にしたがってください。
肥満することにより血圧は高くなります。原因となる過食を防ぐため、常に腹八分を心がけて食べるようにしましょう。また、少なくとも週1回以上は体重を確認するようにしましょう。
過度の飲酒は、高血圧の原因となることがわかっています。飲酒習慣を有する方の許容飲酒量は1日当たり日本酒1合程度と考えられ、週1日以上の休肝日は設けるようにしましょう。 ただし既に何らかの理由で医療機関に受診している方は、必ず担当の医師の指示にしたがうようにしてください。
(最終更新日:2020年4月7日)