厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

e-ヘルスネット

健康政策とナッジ

生活習慣改善領域におけるナッジの具体例と有効性

近年は「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの改善可能な生活習慣に「感染」を加えた、6つの生活習慣に関しては心血管疾患予防のみならず「日本人のためのがん予防法(5+1)」として科学的根拠に根ざしたがん予防の観点でも認知されてきています[1]。心血管疾患および、がん予防において、改善可能な生活習慣はほとんどが重複すると考えられており、より一層全国民に生活習慣の改善が期待されています。しかし、求められることが多い⼀⽅、なかなか取組を始められない、続けられないといった課題に直⾯することが多々あります。次に、⾝体活動・運動、栄養・⾷⽣活(健康的な)、禁煙に関しては、例やその有効性を紹介・解説します。

ナッジにおける介入の強度とインセンティブ

ナッジには、「経済的なインセンティブを用いない」ことが暗黙に含まれていることも多いです。経済学的なインセンティブとはお金・報酬を提供することを指し、行動変容の文脈では例えば、「運動をすることでお金がもらえる」ということです。本サイトのナッジの解説ページでは、この経済学的なインセンティブについては触れてきていませんが、行動変容という大きな枠組みを考えた際に、金銭などの報酬つまり正のインセンティブや、罰金などを伴う逆(負の)インセンティブも重要な位置づけを示すので、ここでは介入の強度や行動経済学・ナッジ×インセンティブの例を紹介します。

ナッジを使うときの留意点

「望ましい⾏動」を科学的に後押しすること≒ナッジと説明してきました。しかし、⼈のバイアスや⾏動特性の知⾒を悪⽤して、必ずしも「望ましくない選択」に誘導、悪⽤もできてしまう点にも注意が必要です。

ナッジを効果的に使うためのポイント(バイアスとフレームワーク)

ナッジ手法の最大の特徴は、ついつい先延ばしにしてしまう(例︓夏休みの宿題など)、やらない方がよいのにやってしまう(例:喫煙)など、非合理ですが人間らしい私たちの行動の傾向(バイアス)を前提に行動変容のきっかけを提供することです。

ナッジとは

がん検診や特定健診の受診率向上、特定保健指導の場面における運動習慣や食習慣の獲得など、自治体の職員や保健師などの専門職は様々な方法で受診勧奨や行動変容を促す努力を試みています。しかし、「健康無関心層」といった健康行動に興味がない人などをはじめとして、実際に人の行動変容を実現させるのは難しいと感じている方は多いと思います。このような「行動」に関する課題の解決策の一つとして注目されてきたのが「ナッジ」・「行動経済学」です。



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