外部からの刺激などによって体の内部に生じる反応のこと。その原因となる外的刺激(ストレッサー)とそれに対する私たちの心身の反応(ストレス反応)とを合わせてストレスと呼ばれることもある。
外部からの刺激によって、身体に生じた反応を意味しています。もともと物理学の言葉で、外部からの刺激に対する力(応力)をさしていました。アメリカの生物学者ウォルター・B・キャノンが生理学に応用し、カナダの医学者のハンス・セリエがさらに研究を進めて「ストレス学説」を唱えたのが、今の「ストレス」の始まりといわれています。
ストレスの原因となる外的刺激をストレッサーといい、これを含めてストレスと表現されることもあります。ストレッサーには、暑さ寒さや有害物質など物理的・化学的なもの、病気や飢え・睡眠不足などの生理的なもの、職場や家庭における不安・緊張・恐怖・怒りなど心理的・社会的なものなどがあります。人間では特に心理的・社会的ストレスが大きいとされています。
ストレスが生じると、体内ではそれを解消しようとする防御反応が働きます。対処法はそれぞれ異なりますが、同じストレッサーでも受け止める人によって「よいストレス」になるか「悪いストレス」になるかが大きく異なります。ストレッサーを制御できた場合は適応という様態をとりますが、うまく制御ができなかった場合には、不適応を起こして身体にさまざまな影響が現れます。身体面での不適応の表れとして、心身症としての消化性潰瘍や高血圧、気管支喘息 など、精神面においては不安や抑うつ、錯乱状態などの様々な反応性精神障害を引き起こします。心的外傷後ストレス障害(PTSD) や急性ストレス反応などもそういった不適応反応の1つです。
(最終更新日:2021年3月12日)