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佐藤 敏彦

佐藤 敏彦 さとう としひこ

青山学院大学大学院 社会情報学研究科 特任教授

担当カテゴリ: 健康寿命

1986年慶應義塾大学医学部卒業。米国ピッツバーグ大学公衆衛生大学院修了、同研究員、東京女子医科大学公衆衛生学講師、世界保健機関ジュネーブ本部「政策と情報のためのエビデンス」局サイエンティスト、北里大学医学部公衆衛生学教室准教授、同臨床研究センター教授を経て現職。一般社団法人ヘルスケア・データサイエンス研究所理事長(兼職)、厚生労働省「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」委員。専門は公衆衛生学、特に疫学、健康情報学。

疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)

超少子高齢化社会においては健康寿命の延伸のみならず、平均寿命と健康寿命の差である「不健康な期間」を減らすことがさらに重要な課題です。不健康な期間の原因にはさまざまな疾患が関与していることから、2021年に新たな試みとして国立高度専門医療研究センター6機関が協働することにより単一疾患毎の予防ではなく、さまざまな疾患を「横断的に」予防するという観点から「健康寿命延伸のための提言」をまとめました。

健康寿命延伸プラン

2019年に策定された「健康寿命延伸プラン」は、健康寿命の目標と、その目標を達成するための施策について定めたものです。2040年までに健康寿命を男女ともに2016年に比べて3年以上延伸し、75歳以上とすることを目指しています。

健康寿命のあり方に関する有識者研究会報告書

2018年10月に設置された「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」(本部長:厚生労働大臣)において「健康寿命延伸プラン」を策定するに当たり、健康寿命の現状や課題について整理を行う必要が生じました。そこで、厚生労働省は「健康寿命のあり方に関する有識者研究会」を立ち上げて健康寿命の定義や延伸目標などについて検討を行い、2019年3月に報告書をとりまとめました。

平均寿命と健康寿命

2016年における我が国の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳であり、健康寿命とはそれぞれ約9年、約12年の差があります。国民一人ひとりの生活の質を維持し、社会保障制度を持続可能なものとするためには、平均寿命を上回る健康寿命の延伸を実現することが必要です。

健康寿命の定義と算出方法

健康寿命とは、集団の健康状態を表す健康指標の一つです。従来は平均寿命が広く用いられてきましたが、生きている状態(QOL:生活の質)を勘案することが重要であるとの認識が高まり、死亡データだけでなく生きている状態のデータを組み合わせた「健康統合指標」として健康寿命が着目されるようになりました。我が国では、WHOが2000年に発表した世界の健康寿命ランキングで日本が世界一であったことが取り上げられたのを契機に国民の関心を呼び、同年に策定された健康日本21(第一次)においても「健康寿命の延伸」を最大の目標とすることが掲げられました。