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CKD / 慢性腎臓病(CKD / まんせいじんぞうびょう)

腎機能が慢性的に低下したり、尿たんぱくが継続して出る状態。

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腎臓の働きが徐々に低下していく、様々な腎臓病の総称です[1]。腎臓の働きが通常より低下したり、尿たんぱくが出たりする状態が3カ月以上続くと、慢性腎臓病(CKD)と判断されます[2]

CKDは「Chronic Kidney Disease」の頭文字で、2002年に国際的に定義されました[2]

腎臓は1日に150~200Lの血液をろ過して、尿を作り老廃物を排泄する大切な役割をもつ臓器です。他にもミネラルなどのバランスを調整したり、血液を作り出すホルモンを分泌したりと多くの働きをします。

腎臓の機能を示す指標としてはGFR(糸球体ろ過量:Glomerular Filtration Rate)がありますが、これは腎臓の中にある毛細血管の集合体である「糸球体」が1分間にどれくらいの血液をろ過して尿を作れるかを示す値です。GFRが1分間に60mL未満の状態と、尿たんぱくが出るなど腎障害がある状態のうち、いずれかまたは両方が3カ月以上続くとCKDと診断されます[2]。なお、特定健康診査では、血清クレアチニン値を用いてGFRを推定するeGFR(推算糸球体ろ過量)が詳細な健診の項目として取り入れられています。

CKDが進行すると末期腎不全となって人工透析や腎移植が必要になることもあります。CKDは動脈硬化の危険因子としても重要で、CKDがある人ではない人に比べて、脳卒中心筋梗塞が発症する確率が高くなります[3]

(最終更新日:2023年06月20日)

山岸 良匡

山岸 良匡 やまぎし かずまさ

筑波大学医学医療系 社会健康医学 教授

茨城県出身。2000年筑波大学医学専門学群(現・医学類)卒業、03年筑波大学大学院博士課程修了。医師、博士(医学)、社会医学系専門医・指導医。筑波大学講師、准教授、ミネソタ大学客員講師などを経て、19年より現職。循環器疾患などの生活習慣病の予防実践と疫学研究が専門。

参考文献

  1. 厚生労働省. 腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会資料.
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28518.html
  2. 日本腎臓学会編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018. 東京医学社, 2018.
  3. Ninomiya T, Kiyohara Y, Tokuda Y, Doi Y, Arima H, Harada A, Ohashi Y, Ueshima H; Japan Arteriosclerosis Longitudinal Study Group. Impact of kidney disease and blood pressure on the development of cardiovascular disease: an overview from the Japan Arteriosclerosis Longitudinal Study. Circulation. 2008 Dec 16;118(25):2694-701.