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エクスポージャー療法(えくすぽーじゃーりょうほう)

不安の原因になる刺激に段階的に触れることで、不安を消していく方法。主に不安症PTSD強迫症に用いられる。

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何かの刺激によって不安が生じた場合、その刺激を回避することによってかえって不安が慢性化したり、悪化したりすることがあります。不安の発生要因は「刺激」ですが、慢性化や悪化の要因は「回避」なのです。このような場合には回避を中止すること、すなわち刺激に自然に触れることが有効です。この逆説的な治療がエクスポージャー療法で、多くの不安症において極めて高い効果が報告されています。負担を軽減するために、治療者が同伴して、安全、安心を保証しながら、段階的に現実の事物や過去の記憶といった刺激に触れます。そして、触れても大丈夫だったということを話し合って確認します。こうして、刺激に触れても過剰な反応を生じることがなくなり、日常生活での予期不安や過剰な回避による行動の制約が減少していきます。不安症やPTSD、強迫症に用いられます。

(最終更新日:2021年6月22日)

金 吉晴 きん よしはる

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 所長

1984年京都大学医学部卒業。民間病院を経て90年より国立精神・神経センター(現:国立精神・神経医療研究センター)精神保健研究所の研究員となる。95年には在外研究としてInstitute of Psychiatry(London、英国)に滞在。97年にはペルー日本大使公邸占拠事件における医療救助活動への参加に対して厚生大臣表彰を受賞。同センター成人精神保健部長を経て2019年1月より現職。International Society for Traumatic Stress Studies理事、New York State University adjunct professorなどを歴任。主な研究テーマは、PTSDの病態と治療、災害時精神医療。