長引く不眠(慢性不眠症)の問題点

震災後の不眠の多くは時間とともに改善してゆきます。ただし、8週間を超えても不眠症状が持続している、すなわち慢性不眠症がみられる場合には注意が必要です(「不眠症」)。特に、不眠症状だけではなく、不眠による不安や苦しみが和らがない、悪夢をよく見る、日中の眠気が強い、集中力が低下してケアレスミスが多い、倦怠感が強い、意欲が出ない、悲観的な考えが浮かぶ、などの症状が日中にみられる場合には、専門的な治療が必要である可能性があります。単なるストレスによる不眠ではなく、うつ病などのこころの病気やその他の睡眠障害による不眠である場合も少なくありません。
原因によっては、睡眠薬が無効であったり、むしろ不眠症状を悪化させることもあります(レストレスレッグス症候群や睡眠時無呼吸症候群など)。また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病をおもちの方では、慢性不眠によって血圧や血糖値が上昇することがしばしばあります。感染症にかかりやすくなることも知られています。慢性不眠と日中の問題がある場合にはこれを軽視せず、医師に相談されることをお薦めします。

長引く不眠(慢性不眠症)の問題点