震災直後の不眠にどのように対処するか
被災地の方々の場合2 「睡眠薬とお酒」

震災前からすでに不眠があり、睡眠薬を服用されている方は、そのまま服用を続けてください。不眠症状は震災前に比較して悪化している方が多いと思います。それでも自己判断で増量するのは控えてください。増量しても期待ほどの効果は得られません。なぜならば、先にも書いたように体が目覚めやすい準備状態になっているからです。無理に増量すると、眠れないにもかかわらず、副作用ばかり目立つ状態になることもありますので注意が必要です(ふらつき、めまい、など) 。
睡眠薬を服用してからは、眠れなくても寝床から出るのは控えましょう。睡眠薬は体にも効いているので、ふらついて転倒する危険があるからです。かかりつけ医や救援医と連絡が取れる方は睡眠薬をどのように服用するか相談をしてください。

睡眠薬がなかなか入手できない場合にも、急な断薬にならないよう気をつけましょう。ときに離脱症状(禁断症状)が出ることがあるからです。離脱症状には、強い不眠、いらいら・焦燥感、手足のしびれ感、発汗や動悸、などがあります。それらを避けるためにも、睡眠薬の残量を確認してください。しばらく追加の睡眠薬を受けられない場合には、睡眠薬を長持ちさせる工夫をしましょう。現在服用している睡眠薬の半量程度にして服用する (2錠以上であれば錠数を減らす、1錠であれば錠剤を割る) 、 1錠と半錠の夜を交互にもうける、などの方法があります。 徐々に減量しながらであれば、睡眠薬が無くなっても離脱症状は起きにくくなります。

睡眠薬代わりにお酒を飲むのは控えましょう。飲酒により若干寝つきが良くなる人もいますが、じきに効果が弱くなります。逆に、お酒は深い睡眠を減らしてしまい、朝方の目覚めが多くなってしまいます。禁酒を進めている訳ではありません。睡眠薬代わりに飲んでも効果が乏しいという意味です。