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一酸化炭素(いっさんかたんそ)

炭素が燃焼する際、酸素が不十分な環境で不完全燃焼を起こすと発生する気体。

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炭素を含む物質が燃焼すると二酸化炭素(CO2)が発生しますが、酸素が不足している状態で不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生します。

血液中のヘモグロビンは酸素と結びついて全身に酸素を運ぶ役割をしていますが、一酸化炭素は酸素に比べて200倍以上もヘモグロビンと結びつきやすい性質を持っています。このため一酸化炭素があるとヘモグロビンは酸素と結びつくことができず、血液の酸素運搬能力が低下してしまい、酸素不足に陥ります。これが一酸化炭素中毒です。

一酸化炭素はたばこの煙にも1%から3%ほど含まれています。ニコチン・タールとともにたばこから発生する有害物質の代表的なものとして「たばこの三害」などと呼ばれます。一酸化炭素とヘモグロビンが結びついた一酸化炭素ヘモグロビンの体内での半減期は3-4時間程度なので、頻繁に喫煙する人は慢性的な酸素欠乏状態となり、ひいては赤血球が増えるなどの影響もあります。このため一酸化炭素は血管の動脈硬化を促進するともいわれています。

ニコチン・タールなどに目が向きがちですが、実はありふれていても恐ろしい”サイレント・キラー”のようなものは、この一酸化炭素かもしれません。吸気中の一酸化炭素濃度は簡単に測定可能で、喫煙の有無の目安として用いられます。